♛︎episode330＿＿ガブリ。 ページ40
✘
「おい、なんか言えよ。恥ずいだろ」
何も言わない私に痺れを切らした玲王が声を上げた。
「ごめん。そこまで本気で想われてたなんて知らなかったから、ビックリした」
「あ？本気に決まってんだろ。後にも先にもこんな気持ちなんのはAだけだっつの」
「……ふぅん」
私だけ、なんだ。
面と向かって好きだとか、惚れただの言われたことがなかったから恥ずかしい。玲王の言葉を聞いているうちに頬が熱くなるのを感じた私は、それを誤魔化すように視線を下へと落とした。きっと今の私は茹で蛸みたいに真っ赤になっている。
「(あぁ、もうッ。そもそもなんであんなこと聞いたんだ、私のバカ)」
なんていう思考に行き着いてハッとする。
そうだ、これは玲王が私のことを好きだと言ったから浮出た言葉であって、別に聞きたかったわけじゃない。
自分に言い聞かせるように頭の中で繰り返すと、なぜだか今度は急に落ち込んできた。
「(ムカつく……)」
ちらっと玲王の様子を伺ってみる。私はこんなにも心を掻き乱されてるのに、玲王は欠伸をして余裕たっぷりで平然としてるなんて不公平だ。
でも、次の瞬間、横髪から覗いた耳が真っ赤になっているのが見えた途端、胸の奥がきゅんと音を立てた気がして何も言えなくなってしまった。
「A」
「な、なに？」
さっきとは違う、明らかに熱を孕んだくぐもった声で名前を囁かれたせいで、脳が蕩けそうになる。
玲王の指が耳の裏を撫でて、そのまま頬に添えられると、ゆっくりと顔を上に向かせられる。
「は？あの、玲王？」
私を見つめる瞳は真剣そのもので、逸らすこともできずに見つめ返すことしかできない。まるで催眠術にかけられたかの様に視線を外すことが出来なかった。
「(あれ、この状況ってかなりまずいんじゃ……)」
顔を斜めに傾けて、愛おしげに目を細めた玲王の唇が接近してくる。反抗しようにも、声が喉につかえて口から出せない。
怖くて、不安で、でも拒めない。心臓はバクバクと煩いし、顔は火照っているし、もう何が何だか分からなくて、ぎゅっと玲王の服を掴むことしかできなかった。
「(また……される。嫌なのにッ)」
あと少しで唇が触れ合うという瞬間、ピタリと玲王の動きが止まった、気がした。いつの間にか閉じていた瞼を恐る恐る持ち上げれば、何故か眉間にシワを寄せてなにかと葛藤しているような玲王が映る。
そして次の瞬間には、ガブリと首筋を食まれていた。
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はもに(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 咲夜さん、初コメ並びに応援ありがとうございます！次回の続編でもご期待添えられますよう精進致しますのでよろしくお願いします❕ (7月15日 15時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 初コメ失礼します更新頑張ってください応援してます (7月14日 19時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - はもにさん» そんな！。全然！。というかお待ちしています、自分も受験生で多分返事返せない時がありますのでお互い同じですよ！。ソレに夏休みの時はいっぱいお話出来ますか？。 (6月9日 21時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - だんごさん。さん» だんごさん、お返事遅くなりすみません。作品を愛読頂きありがとうございます！ぜひ、とお願いしたいところなのですがただ今リアルが立て込んでおりまして、執筆に集中するのが手一杯な状態ですので余裕ができてからお伺いしてもよろしいでしょうか？申し訳ないです (6月9日 12時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - こんにちは！。いつも作品見てました。そのイラストも全て見てました！。初コメですが失礼します。その毎回幸せに見ています。そのボードに話しかけるのはいいでしょうか？。お話したいです！。 (6月4日 17時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年5月27日 14時
