♛︎episode329＿＿興味 ページ39
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さらさらと髪を掬われる感覚がして、頭を上げた。隣を振り向くと、想像していたよりもずっと近くに玲王の顔があって、喉がひゅっと鳴る。
向かい合うような姿勢でこちらを見つめてくる玲王はこちらに向かって伸ばして、私の髪に指を通しながら頭を撫でていた。
「髪、伸ばして正解だな」
髪を一房掬い上げた玲王が指先で、すっと毛先に触れながら言った。優しい手つきと心地良さに思わず目を細めた私の口からは「んっ」と声が漏れる。
「どういう意味？」
「そのまんまの意味」
" 似合ってる " 恥ずかしげもなくサラッと言って、愛おしそうにこちらを見つめてくる玲王。私も見つめ返すけれど、すぐに視線を逸らしてしまった。
「短い方が好きとか言ってたくせに」
「今いいなと思った。だから切るなよ。切らなくていい」
「なにそれ。切れって言ったり切るなって言ったり、玲王ってほんと自分勝手」
「好きな女が髪伸ばした理由が他の男だって知ったら、誰だってムカつくだろ」
さらりと口にした玲王に少しだけ胸が高鳴ってしまう自分が悔しい。こんな風に言われたら何も言い返せないじゃないか。どうして玲王は恥ずかしげもなく本音を漏らせるのだろう。
私が何も言えずにいるのを肯定と捉えてしまったのか、玲王は眉間にシワを寄せて不機嫌そうな顔をしていた。
「ねえ。ずっと前から、気になってたんだけどさ」
「なんだよ」
「玲王は、その……私のどこが好きなの？」
「は？」
唐突すぎる質問に面食らったのか、珍しくぽかんとした表情を浮かべている。
そんな玲王を見て少しだけ溜飲を下げつつ答えを待つけれど、一向に口を開こうとはしない。
「や、やっぱ今のナシ！」
じわじわと羞恥心に襲われて慌てて否定する。
だけど玲王は目をぱちくりとした後、真剣な表情で考え込むような素振りを見せながら顎に手を当てて呟いた。
「どこが好きって言われてもな……わっかんねぇ」
「は？」
予想外の返答に呆気に取られていると、玲王は困ったように笑いながらも言葉を続けた。
「好きになったきっかけとかそういうもんも特にねーし、気づいた時にはもうお前のことしか見えてなかった。でもまぁ、ただ一つ言えるとしたら、俺はお前だから惚れたんだと思う」
そう言うと照れた様子もなく真っ直ぐに見つめてきた。その瞳は真剣そのもので、嘘を言っているようには見えない。玲王の想いの強さが痛いほど伝わってきて、胸の奥がきゅっと苦しくなった。
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はもに(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 咲夜さん、初コメ並びに応援ありがとうございます！次回の続編でもご期待添えられますよう精進致しますのでよろしくお願いします❕ (7月15日 15時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 初コメ失礼します更新頑張ってください応援してます (7月14日 19時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - はもにさん» そんな！。全然！。というかお待ちしています、自分も受験生で多分返事返せない時がありますのでお互い同じですよ！。ソレに夏休みの時はいっぱいお話出来ますか？。 (6月9日 21時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - だんごさん。さん» だんごさん、お返事遅くなりすみません。作品を愛読頂きありがとうございます！ぜひ、とお願いしたいところなのですがただ今リアルが立て込んでおりまして、執筆に集中するのが手一杯な状態ですので余裕ができてからお伺いしてもよろしいでしょうか？申し訳ないです (6月9日 12時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - こんにちは！。いつも作品見てました。そのイラストも全て見てました！。初コメですが失礼します。その毎回幸せに見ています。そのボードに話しかけるのはいいでしょうか？。お話したいです！。 (6月4日 17時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年5月27日 14時
