episode319＿＿暗雲 ページ29
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「トマト一個いただきぃ！」
「あ、こら！」
オムライスを切り分けていた隙を狙われて、プチトマトをかっさらわれた。
悔しげな顔で睨みつけてる私を気にもとめずに｢久しぶりのトマト、うんまぁ〜！｣親指をぺろりと舐めてトマトの味を堪能する成早。その瞳が、今度は唐揚げに焦点を定めたのを察知した私は取られる前に、ぱくりと口の中に放り込む。
「あー！俺の唐揚げ！」
椅子から立ち上がった成早に被害者面で叫ばれたけど、顔を背けて無視した。あーだこーだと責められるいわれはない。
「そんなにオカズあるんだからさ〜、ちょっとくらい分けてくれたっていいじゃん。マネージャーのケチ！」
「それは俺も同感〜」
「おっ。凪もそう思う？ならこれで二対一ね！」
「なんの多数決だよそれ……あげないもんはあげないぞ」
不満気に唇を尖らせて、ぶーぶー、と抗議してくる成早を尻目に、残りのオムライスを口に運ぶ。
バターの利いた洋風の美味しさを味わっていると、ふいに肩をつつかれた。
「なに｣
横目で訴えると、隣に座っていた凪から無言で納豆と箸を差し出される。つまり、代わりに混ぜて──と、そう言いたいのだろう。
口の中にあったものを飲み込んだ私は、ソレを渋々受け取る。
「え、なに今の！ 二人って意外と仲いいんだ？」
『いや全然』
凪と声が重なった。
｢ははっ。めっちゃ仲良いじゃん！｣
吹き出して笑う成早を尻目に納豆をぐるぐると掻き混ぜていたら、どこからともなく｢おい｣とドスの効いた声が聞こえたので顔を上げた。
どうやら今の言葉は成早に向けられたもののようで、彼の前に立ってた馬狼が額に青筋を浮かせて見下ろしていた。
「あっ。馬狼だ！やっほ〜。今から飯？」
「見りゃわかんだろ。つーかそんなところに突っ立っつな。通行の邪魔だ、退けチビ」
「あぁ、ごめんごめん！ そう怒んないでよ」
不機嫌丸出しの馬狼に物怖じしないで、あんな風な絡み方ができるのは後にも先にも成早だけな気がする。じーっと二人のやり取りを傍から見ていたら、視線に気づいた馬狼がこっちを見た。
「いたのか能無し。……なんだ、ヘタクソと奴 隷も一緒かよ」
「奴、隷？」
耳慣れない渾名に疑問符が浮かぶ。
誰のことを指しているのか分からないでいると、ちょうど隣から机を叩くような音がした。
掻き混ぜていた手を止めて視線を移動させると、さっきまでゲームをしていた凪が露骨に嫌な顔をして馬狼を睨みつけていた。
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はもに(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 咲夜さん、初コメ並びに応援ありがとうございます！次回の続編でもご期待添えられますよう精進致しますのでよろしくお願いします❕ (7月15日 15時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 初コメ失礼します更新頑張ってください応援してます (7月14日 19時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - はもにさん» そんな！。全然！。というかお待ちしています、自分も受験生で多分返事返せない時がありますのでお互い同じですよ！。ソレに夏休みの時はいっぱいお話出来ますか？。 (6月9日 21時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - だんごさん。さん» だんごさん、お返事遅くなりすみません。作品を愛読頂きありがとうございます！ぜひ、とお願いしたいところなのですがただ今リアルが立て込んでおりまして、執筆に集中するのが手一杯な状態ですので余裕ができてからお伺いしてもよろしいでしょうか？申し訳ないです (6月9日 12時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - こんにちは！。いつも作品見てました。そのイラストも全て見てました！。初コメですが失礼します。その毎回幸せに見ています。そのボードに話しかけるのはいいでしょうか？。お話したいです！。 (6月4日 17時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年5月27日 14時
