episode318＿＿前夜 ページ28
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夕食
「えっ、試合決まったの？」
食堂の前で鉢合わせた凪らと一緒に食事をとっていた最中でのことだった。ご飯に手もつけずにゲームをしていた凪が「そーいえば試合決まったー」と呟いたのは。
私は思わず食べる手を止めた。切り分けたオムライスが乗ったスプーンから、グリンピースがぽとりと転がり落ちる。
「だからそう言ったじゃん。……あ、死んだ｣
「誰と試合するの？」
グリンピースを指先で摘んで口の中に放り込んだ凪に、" 𝐆𝐚𝐦𝐞 𝐨𝐯𝐞𝐫 "の文字が浮かび上がっている画面を一瞥してから訊ねてみると、彼は一瞬、動かしていた口を止めて難しそうに眉を顰めた。
「馬狼とー……えーっと、誰だっけあのチビ｣
一人の名前が出たところで、私の脳内に凪が思い出せなかったある人物の顔が浮上した。
「成早？」
「あー。そんな名前だった気がする」
そう適当な返事をして、画面のリトライボタンを押す凪。
「凪、お前さっきも俺に同じこと聞いてただろ」
向かい側に座っていた世一が、呆れたふうにため息を吐く。
私は、口に運んだオムライスを咀嚼しながら凪の顔を見つめた。しかし肝心の本人は、ゲームに夢中で指をあちこちに動かしながら｢知らーん｣と、間延びした声で呟く。
「(ダーメだこりゃ)」
呆れて言葉を失った私たちは、互いに顔を見合わせると、やれやれと首を振っては肩を竦めた。
「で、世一。その二人とはいつ試合するの？｣
スプーンから箸に持ち替えて、味噌汁を掻き混ぜていると「明日だよ！」凪のものでも世一のものでもない、快活な声が私の質問に答えた。
驚いて顔を上げると、世一の後ろに話題に上がっていた人物──成早が立っていた。
「成早！」
「やっほーマネージャー！潔もさっきぶり〜」
太陽のように明るい笑顔を振り撒く成早に、相変わらず元気だなぁ……と思っていると、世一の様子が変なことに気づいた。
眉の辺りに嫌な線を刻んで、微妙な顔をしている。それが不思議で小首を傾げてたら、椅子の引く音が聞こえて、そっちに意識を持っていかれた。
「成早、ご飯は？」
「もう食べた！ でもまだお腹空いててさ〜」
ふうん、と鼻を鳴らして味噌汁を啜ってたら、妙な視線を感じた。お椀から顔を覗かせて見てみると、斜め前に座る成早が、唇に指を当てて、じーっと私のオカズを眺めている。
嫌な予感がしたから、サッとトレーを持ち上げた。
(あげないぞ！)
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はもに(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 咲夜さん、初コメ並びに応援ありがとうございます！次回の続編でもご期待添えられますよう精進致しますのでよろしくお願いします❕ (7月15日 15時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 初コメ失礼します更新頑張ってください応援してます (7月14日 19時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - はもにさん» そんな！。全然！。というかお待ちしています、自分も受験生で多分返事返せない時がありますのでお互い同じですよ！。ソレに夏休みの時はいっぱいお話出来ますか？。 (6月9日 21時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - だんごさん。さん» だんごさん、お返事遅くなりすみません。作品を愛読頂きありがとうございます！ぜひ、とお願いしたいところなのですがただ今リアルが立て込んでおりまして、執筆に集中するのが手一杯な状態ですので余裕ができてからお伺いしてもよろしいでしょうか？申し訳ないです (6月9日 12時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - こんにちは！。いつも作品見てました。そのイラストも全て見てました！。初コメですが失礼します。その毎回幸せに見ています。そのボードに話しかけるのはいいでしょうか？。お話したいです！。 (6月4日 17時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年5月27日 14時
