episode310＿＿生姜湯 ページ20
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「35.4℃……」
低体温だけど、これが凪の平熱。今更私も驚かない。
でも、スポーツ選手としてこの体温は致命的だ。代謝が上がりにくくなるし、そうなると体力の低下にだって繋がる。
だから私はマネージャーとして、彼のためにある物を用意していた。
「凪、一旦ゲーム止めてこれ飲んで」
「えー。なにそれ｣
「生姜湯。これ飲んだら冷え性も改善されるぞ｣
「……Aが作ったの？」
「そう、だけど。それがなに？｣
ふうん、と鼻を鳴らした凪が顔を上げてスマホを閉じる。
無機質な瞳が生姜湯の入ったコップを見つめて、私をちらりと一瞥した後「んっ」と言って手をこちらに向けてきた。
それちょーだい、というアピールなのだと気づいた私は「熱いから気をつけなよ」と一言添えて、凪にコップを手渡す。
「うへぇー……まっず。無理なんだけど」
「はいはい、我慢して飲む」
「こんなの毎日飲まされるとか罰ゲームじゃん」
「仕方ないでしょ、アスリートは体が資本なんだから。これ飲んで体温しっかり上げて、基礎代謝増やさないと！｣
一口飲んだだけで苦い顔をして、べえっ、と舌を出した凪が恨めしそうな目で私を見つめる。そんなふうに可愛く訴えたって無駄だ。
急かすように手を叩けば、湯気が立つ生姜湯と睨めっこをしていた凪が、何故かコップを世一の方に向けた。
「潔、飲む？」
「……」
「聞いてんの潔？おい、無視するな」
無反応な世一に、凪が顔を顰める。
世一は、またさっきみたいに一点を見つめたままボーっとしていた。本人は寝不足だから、って言ってたけど、短時間の間にこうも続くと心配になる。
「悪りぃ凪、聞いてなかった。なに？」
意識が戻った世一が聞き返すと、凪はまた不満そうな顔をして、ぷくぅ、っと片頬を膨らませる。
女の私よりも高い頻度で可愛い仕草をする
「だーかーら、俺の代わりにコレ飲んでって言ったの。潔、きんつば好きなんでしょ。だったらこれも飲めるんじゃない？」
「どういう理屈だよそれ。てか、せっかくAが凪のために作ってくれたんだから、お前が飲まなきゃ意味ないだろ」
世一の言葉に、うんうん、と深く頷く私。
凪もようやく観念したのか、渋々コップに口をつけて生姜湯を飲んでいく。本当に不味いみたいで物凄く顔を顰めてた。
でもまあ確かに、もう少し甘味を出した方が凪も飲みやすいのかもしれない。次からはもう少し味にも拘ってみよう。
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はもに(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 咲夜さん、初コメ並びに応援ありがとうございます！次回の続編でもご期待添えられますよう精進致しますのでよろしくお願いします❕ (7月15日 15時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 初コメ失礼します更新頑張ってください応援してます (7月14日 19時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - はもにさん» そんな！。全然！。というかお待ちしています、自分も受験生で多分返事返せない時がありますのでお互い同じですよ！。ソレに夏休みの時はいっぱいお話出来ますか？。 (6月9日 21時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - だんごさん。さん» だんごさん、お返事遅くなりすみません。作品を愛読頂きありがとうございます！ぜひ、とお願いしたいところなのですがただ今リアルが立て込んでおりまして、執筆に集中するのが手一杯な状態ですので余裕ができてからお伺いしてもよろしいでしょうか？申し訳ないです (6月9日 12時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - こんにちは！。いつも作品見てました。そのイラストも全て見てました！。初コメですが失礼します。その毎回幸せに見ています。そのボードに話しかけるのはいいでしょうか？。お話したいです！。 (6月4日 17時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年5月27日 14時
