episode308＿＿デイリー ページ18
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予定よりもかなり時間が押してしまった。
2ndステージの最後の部屋に辿り着いた私は、ノックをそこそこに扉を開けて、部屋の中に足を踏み入れる。
「お待たせ世一、凪！遅くなってごめん！」
私の登場に、二段ベッドに腰掛けていた世一が片手を上げた。
「全っ然平気。ちょうど凪も今起きたとこ」
「いやおっそ!?」
二段ベッドの上から、片腕だけが にょきっと生えて、こちらに向かって手をひらひらと振ってくる。
怠惰な凪に、呆れて言葉も出なかった。
「A、喉乾いてない？水しかないけど飲む？」
「飲む！ちょうど喉乾いてたんだよね〜」
「おっけ。じゃあ注いでくるわ」
「うん、ありがとう」
部屋に設置されてるウォーターサーバーに向かって歩いていく世一を見送った私は、再び二段ベッドを見上げる。
そして少し背伸びをすると、凪が寝ている布団を隙間から掴んでグイグイって引っ張った。
「なーにA」
「なーにじゃない！凪、アンタいつまでベッドの上いんの!?世一にまで迷惑かけて……検温するから、早く降りてきな！」
腰に手を当て、二段ベッドを見上げながら声をかける。だけど凪の口からでるのは｢あー｣だとか｢うー｣なんていう空返事ばかり。
世一曰く、起きてからずっとゲームをしているらしい。
「ちょっと！もっと他に言うことないの？」
「いまデイリー中だから無理｣
「そうじゃなくて！」
「あっ。死んだ」
「アンタねぇ……」
全く聞く耳を持たない凪の態度に、私の拳は震え、片眉もピクピクと痙攣を起こす。
「Aのせいで死んだんだけど」
「知るか！どうでもいいから降りてこい！」
「うるさっ……終わったら降りるって言ってんじゃん」
「いや初耳なんだけど」
そうだっけ？知らーん。と言って、またゲームを再開し始めた凪に、私は大きく肩を落とす。
今なら、毎朝子供を起こす母親の気持ちが分かる。
「(毎朝こんなだと、そりゃぶちギレるわな……)」
なんて思ってたら、背後から視線を感じた。
くるりと振り返り見て見れば、そこには紙コップを手に持つ世一が立っていた。
あ、そっか。ずっと待っててくれてたんだ。
「お水ありがとう、世一」
「……」
「世一？くれないの？」
手を伸ばして受け取ろうとするけど、紙コップを渡してくれなかった。不思議に思ってもう一度名前を呼んでみたけど、やっぱり反応はない。
心ここに在らず、というのはまさにこのことで。世一は、私の顔を見つめたままボーっとしていた。
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はもに(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 咲夜さん、初コメ並びに応援ありがとうございます！次回の続編でもご期待添えられますよう精進致しますのでよろしくお願いします❕ (7月15日 15時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 初コメ失礼します更新頑張ってください応援してます (7月14日 19時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - はもにさん» そんな！。全然！。というかお待ちしています、自分も受験生で多分返事返せない時がありますのでお互い同じですよ！。ソレに夏休みの時はいっぱいお話出来ますか？。 (6月9日 21時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - だんごさん。さん» だんごさん、お返事遅くなりすみません。作品を愛読頂きありがとうございます！ぜひ、とお願いしたいところなのですがただ今リアルが立て込んでおりまして、執筆に集中するのが手一杯な状態ですので余裕ができてからお伺いしてもよろしいでしょうか？申し訳ないです (6月9日 12時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - こんにちは！。いつも作品見てました。そのイラストも全て見てました！。初コメですが失礼します。その毎回幸せに見ています。そのボードに話しかけるのはいいでしょうか？。お話したいです！。 (6月4日 17時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年5月27日 14時
