♛︎episode306＿＿予算 ページ16
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凪を見返してやりたいという玲王の気持ちが、言葉の端々から痛いほど伝わってくる。だけどそれと同じくらい、気持ちばかりが焦ると ろくなことにならないということを、私は知っていた。
「でも、それじゃ身体が……！」
だから口を挟もうとした。
しかしそれは、國神によって阻まれてしまう。肩に手を置かれたのだ。まるで｢それ以上は言うな｣とでもいうように。
「まあ本人もこう言ってることだし、やらせてやろうぜ。マジでやばくなったら中断するし。なっ、國神？｣
「だな。それでいいか、玲王」
玲王は今度こそ頷いた。
その姿がまるで、親の後ろに隠れて先生との約束を結ぼうとする子供のように見えて。私と同じことを思ったのか、それを見た千切が肩を竦める。
「無理、しないって約束してよ」
千切達に聞こえないように小さな声で呟いた私は、回された玲王の腕にそっと触れる。
返事が返ってくることはなかったけど、代わりに一回り大きな玲王の手が、触れていた私の手を覆うようにして重なった。
「そう言や……」
不意に千切が呟く。
驚いた私の肩はビクりと跳ねて、重なったばかりの手を慌てて振り払った。
「練習場に限りがあるって話聞いたんだけど、マジ？」
「(なんだ、見られてたわけじゃないのか……)｣
ホッと胸を撫で下ろした私は｢うん。マジだよ｣と、千切の疑問に答えた。
──そう、コートには限りがある。各ステージに五つずつで事足りた一次選考とは違って二次選考は数がバラけているせいで練習場が足りない。故に、争奪戦なのだ。
「ブルーロックマン、だっけ？ああいうの作る金はあんのに、練習場は増やさなかったんだな。なんか効率悪くね？」
素朴な疑問は、関わりのある私にもダメージを与えた。
「まあ、大人の事情が色々ありまして……」
「大人の事情、ねぇ？」
千切からの視線に耐えられなくなった私は、するりと横目を逸らして頬をかく。
「そんなんでやってけんのかよ。一応俺らの選手生命かかってんだけど？」
「そこはもちろん大丈夫！だと、思う、たぶん……いや、でも、どうかな。絵心のことだからちゃんと考えてはいる、はず？」
「いやどっちだよ」
実際千切の言うとおりだから、返す言葉もない。AI型ホログラムのブルーロックマンや部屋の増設に金を注ぎ込みすぎたせいで予算がオーバーし、練習場をつくる資金が足りなかったのだ。
まあ、闘争心を煽るために敢えてそうしたって言われたらそこまでだけど。
♛︎episode307＿＿表情→←♛︎episode305＿＿らしくない
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はもに(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 咲夜さん、初コメ並びに応援ありがとうございます！次回の続編でもご期待添えられますよう精進致しますのでよろしくお願いします❕ (7月15日 15時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 初コメ失礼します更新頑張ってください応援してます (7月14日 19時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - はもにさん» そんな！。全然！。というかお待ちしています、自分も受験生で多分返事返せない時がありますのでお互い同じですよ！。ソレに夏休みの時はいっぱいお話出来ますか？。 (6月9日 21時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - だんごさん。さん» だんごさん、お返事遅くなりすみません。作品を愛読頂きありがとうございます！ぜひ、とお願いしたいところなのですがただ今リアルが立て込んでおりまして、執筆に集中するのが手一杯な状態ですので余裕ができてからお伺いしてもよろしいでしょうか？申し訳ないです (6月9日 12時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - こんにちは！。いつも作品見てました。そのイラストも全て見てました！。初コメですが失礼します。その毎回幸せに見ています。そのボードに話しかけるのはいいでしょうか？。お話したいです！。 (6月4日 17時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年5月27日 14時
