episode292＿＿本心 ページ2
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久しぶりに感じた世一の温もりと、大好きな匂いに包まれて、私はそっと瞼を閉じる。
冷えた心はまた熱を取り戻して、鼓動は激しく脈を打った。堰き止めていた感情が、溢れ出しそうだった。
「き、急にどうしたんだよA！ってかここ廊下だし、他の誰かに見られたらまずいって！ただでさえ俺ら色々勘違いされてんのに！」
「いいよ別に、世一となら勘違いされたって。……それに
「いや、自転車乗ってる時だけな!? 普段からしてたみたいなこと言わない！」
こっちの気持ちも知らないで、離れようとする世一にムカついた私は、抗うように脇の下から両腕を通してさっきよりも強い力で、ぎゅうっと抱きつく。
するとさっきまでの焦りはすっかりなくなって、かわりに呻くような声だけが降ってくる。
「Aおまっ、ちょっとは手加減しろ！苦しいからっ」
「(あー、全っ然異性として見られてないなコレ)」
女の勘がそう言った。
他の子から同じことされたら、きっと世一は馬鹿みたいに意識して、顔を真っ赤にしながら慌てふためくんだろうな。
……なんて、自分で語っておきながら、想像上の女にまで嫉妬をしてしまうのだから重症だ。
「ほんの少しだけでいいから、このままでいさせて」
「A……？」
「寂しいって思ってるのは、世一だけじゃないんだぞ」
はぁ、と呆れたような世一のため息に私の肩は震えてしまう。
さすがにワガママ過ぎたか、迷惑だったか、途端に不安になるけれど、それでも離れたくない私は腕を回す力をさらに強くした。
「やっと素直になった」
「えっ？」
世一の呟きに、私は押し付けていた頭を上げた。
でも背中越しじゃ当然世一の顔は見えなくて。自分から言い出したくせに、私は表情が分からないことへの不安を感じた。
だけどそれも、次に出る世一の言葉で杞憂に終わる。
「だってA、ずっとなんか我慢してただろ。お前は" 大丈夫 "って誤魔化すだけでなんも言ってくれなかったけどさ、俺からすれば全っ然そうには見えなかったし」
「気づいて、たんだ」
「当たり前じゃん、何年隣にいると思ってんだよ。Aのことは
自分の息を呑む音が、やけに大きく聞こえた。
唇を、きゅっと固く結んだ私は、不意をつかれた情けない表情を世一に見られたくなくて、頭を再び背中に押し付ける。
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はもに(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 咲夜さん、初コメ並びに応援ありがとうございます！次回の続編でもご期待添えられますよう精進致しますのでよろしくお願いします❕ (7月15日 15時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 初コメ失礼します更新頑張ってください応援してます (7月14日 19時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - はもにさん» そんな！。全然！。というかお待ちしています、自分も受験生で多分返事返せない時がありますのでお互い同じですよ！。ソレに夏休みの時はいっぱいお話出来ますか？。 (6月9日 21時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - だんごさん。さん» だんごさん、お返事遅くなりすみません。作品を愛読頂きありがとうございます！ぜひ、とお願いしたいところなのですがただ今リアルが立て込んでおりまして、執筆に集中するのが手一杯な状態ですので余裕ができてからお伺いしてもよろしいでしょうか？申し訳ないです (6月9日 12時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
だんごさん。(プロフ) - こんにちは！。いつも作品見てました。そのイラストも全て見てました！。初コメですが失礼します。その毎回幸せに見ています。そのボードに話しかけるのはいいでしょうか？。お話したいです！。 (6月4日 17時) (レス) id: 3c436fb16b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年5月27日 14時
