Episode 39 ページ42
「ここは病院なんですね…」
Aが、やけに暗い声で呟く。
そんな彼女の姿を見て、アヴドゥルが優しく答えた。
「そんなに思い悩むことはない。私や花京院も、君と同じように負傷してしまったんだ。特別迷惑をかけた訳でもないしな」
それに、とアヴドゥルは言葉を続ける。
「君のおかげでポルナレフは負傷せずに済んだ。それだけでも、私たちは君に感謝しなければならない」
「そうだぜ?いつも自分ばっかり責めてるけど、アヴドゥルの言う通りだ。俺はお前に助けられた。少しは感謝させてくれよな!」
ポルナレフも、少し照れながら話す。
アヴドゥルとポルナレフの言葉に、Aは感銘を受ける。
自責の念に駆られていた心が、少し軽くなった。
「あ、ありがとう…」と少し俯きながら(少し赤くなった顔を隠しながら)お礼の言葉を言うと、二人は微笑みかけてくれた。
Aは、その後自分が気絶した後の話を聞く。
敵のスタンドを打ち破ったこと。エジプトで一行を待ち構えていた「九栄神」というスタンド使いの存在。Aがあれから丸三日程眠っていたこと。
そして最後に、花京院とAの長期入院。
花京院が負った傷は、相当深いらしい。失明してもおかしくないレベルだそう。
Aの背中の傷も、かなり深い。起き上がることさえ困難だという。
脊髄にまでは達していないものの、ほんとあと数センチ深ければ、それこそ呼吸困難を起こしかねなかったという。
その話を聞いて、初めて自分の腕から点滴が伸びている事に気がつく。顔からサァァっと血の気が引いて行くのが分かった。
承太郎は「お前と花京院には、暫く安静にしてもらいたい」、ジョースターは「ディオとの戦いは万全の状態で望んでもらいたい」と言う。
Aが目を覚ます直前、深手を負ったアヴドゥルの様態も回復し、既に旅に出る準備を済ませたという。
花京院は、とAが尋ねると、「カーテンの向こうで眠っている」とポルナレフが答えた。
今まで気が付かなかったが、同室で、隣のベッドで眠っているらしい。
最後に、「必ず回復させるから!」という彼女の声を聞き、ジョースターたちは病室を出て行った。途端に寂しさが心を蝕む。
カーテンで仕切られたベッド。このカーテンを開ければ、花京院の顔を見ることが出来る。
寂しさからなのか、それとも“会いたい”という欲求からなのか。
Aの手は、無意識のうちにカーテンへ伸びていた。
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東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» 応援ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年9月15日 0時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - 頑張ってください!(^^) (2018年9月14日 21時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» わあああい!!ありがとうございます!嬉しいお言葉頂きました!これからも何卒宜しく御願い致します(´ー`*) (2018年9月3日 14時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - この作品大好きです!僕もこんな神作書いてみたい(´・_・`) (2018年9月3日 10時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - もちこさん» コメントありがとうございます!そんな勿体ないお言葉を……!ありがとうございます、励みになります( ^P^) (2018年8月27日 22時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲 | 作成日時:2018年2月6日 19時