Episode 2 ページ5
空条承太郎。
ジョセフ・ジョースターの孫であり、花京院の友人。
見た目はまるで不良。いや、事実学校では不良のレッテルを貼られている。
しかし、その根は心優しい青年であり、今回の旅はその優しさ故のものであった。
｢ポルナレフのやつ…一体どこをほっつき歩いとるんじゃ？｣
｢もっと慎重になって欲しいものですね…｣
ジョセフとアヴドゥルが腕を組み、唸る。
しかしそんな祖父のことを気にも留めず、スタスタと承太郎は前を行く。
｢もういい。俺があの子に聞いてくるぜ｣
｢待て承太郎。なんだ、君が聞くと…その…怖がらないか？｣
｢…花京院、流石にちょっと傷つくな｣
承太郎が一度立ち止まり、後ろから話しかける花京院にそう言った。
｢うぅ…どうしよう…｣
周りには沢山の外国人。
手ぶらの小さなAを気に留める者などいるはず無いわけで。ここに来て間もないのに、本日何度目か分からないため息がこぼれた。
宛もなく、俯きながら一人でふらふらと歩いていると、突然頭上から声が降ってきた。
｢ちょっといいかな？｣
｢はっはいっ！｣
聞こえたのは、日本語だった。優しい男性の素敵な声に、思わず勢いよく顔を上げる。
そこにいたのは、奇抜な前髪をしたガタイのいい男性。
やや少し幼さの残る笑顔は、とても整っていて素敵だった。
｢柱のような髪型をしたフランス人を見なかったかい？｣
｢は、柱…？見てない…ですね…｣
｢そうか、ありがとう｣
Aから視線を外すと、後ろにいる人に向かって｢ダメでした｣とだけ伝えた。
もう質問は終わりなのかな？と考えながら男性を見つめると、すぐにAの方に向き直り、目を真っ直ぐ見つめてきた。
｢ところで君、家族はいないのか？｣
｢え、か、家族…｣
いない、と答えれば良いだけなのに、何故か答えられなかった。そう答えた事でさらに質問が被せられるのが嫌だったのか、ただ単純にその言葉が思い浮かばなかったのか。
どちらにせよ、Aは言葉に詰まってしまった。
｢妙だな。こんなところを一人で歩いているなんて。旅行者か何かなのかい？｣
｢おい花京院。もういいだろ｣
花京院がAに引き続き質問をするが、承太郎に止められてしまう。
｢そうだな。ポルナレフ探しが先だな｣
｢すまないねお嬢さん。もしも柱のような髪型をしたフランス人を見つけたら、教えてくれないかな？｣
｢あ、は、はい…｣
Aが腑抜けた返事をすると、四人の男達は横を通って行ってしまった。
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東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» 応援ありがとうございます！頑張ります(*^^*) (2018年9月15日 0時) (
レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - 頑張ってください！(^^) (2018年9月14日 21時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» わあああい！！ありがとうございます！嬉しいお言葉頂きました！これからも何卒宜しく御願い致します(´ー`＊) (2018年9月3日 14時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - この作品大好きです！僕もこんな神作書いてみたい(´･_･`) (2018年9月3日 10時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - もちこさん» コメントありがとうございます！そんな勿体ないお言葉を……！ありがとうございます、励みになります( ＾P＾) (2018年8月27日 22時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲 | 作成日時：2018年2月6日 19時
