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Episode 34 ページ37

「ん?あそこに何かないか?」

エジプトの首都、カイロを目指し、一行は砂漠を車で進む。
その途中、承太郎が遠くを指さし、みんなに問いかけた。

「本当だ。遠くてよく見えないけど、確かになにかありますね」

花京院が答える。
五十メートル程先に、“何か”がある。
近づいてみると、その全貌が明らかになっていく。


「あ、あれ…墜落したセスナじゃないですか?」


やっと肉眼で判断できる距離に近づいたところで、Aが指を指し、問う。
そこにあったのは、ボロボロに大破したセスナだった。
辛うじて判断できたのは、操縦席にある操縦機と、上に傾いた右翼の残骸のおかげであり、その他は原型を留めていなかった。

そして、何よりも一行の目を引いたのが__








「アレって…さっきの二人、か?」
「オイオイ…冗談じゃねぇぜ…」








__全身から(おびただ)しい量の血を流し、白目を向いて倒れている、男二人だった。



あまりの光景に、Aは喉を詰まらせる。
その無残な姿に、呼吸をすることすら忘れてしまう。

まだ息をしているかもしれないのに、Aの頭の中は唐突に訪れた“死”の恐怖に支配された。
悲鳴を上げず、ギリギリ正気を保っていられる自分に少し戦慄を覚えながらも、急いで状況把握に思考を切りかえる。

それでも、年端もいかぬ少女にとって、目の
前の出来事は脳裏に焼き付き、挙句思考回路のストッパーとなってしまう。

混乱した脳内を落ち着かせるべく、一度大きく深呼吸をした。



ポルナレフと承太郎が口にした、驚きの声。
みんなの目に映る、“先程まで会話をしていた二人”の末路。

その場が一気に凍りついた。
嫌という程暑いはずの砂漠なのに、悪寒と冷や汗はとどまることを知らない。


全員が臨戦態勢に入った。
そして、口に出さずとも、全員の思考が一致する。




__これは“スタンドの仕業だ”、と。

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東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» 応援ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年9月15日 0時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - 頑張ってください!(^^) (2018年9月14日 21時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» わあああい!!ありがとうございます!嬉しいお言葉頂きました!これからも何卒宜しく御願い致します(´ー`*) (2018年9月3日 14時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - この作品大好きです!僕もこんな神作書いてみたい(´・_・`) (2018年9月3日 10時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - もちこさん» コメントありがとうございます!そんな勿体ないお言葉を……!ありがとうございます、励みになります( ^P^) (2018年8月27日 22時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲 | 作成日時:2018年2月6日 19時

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