Episode 21 ページ24
「遅いな、花京院とA…」
壁にかけられた時計を見て、承太郎が言葉を漏らす。ポルナレフとジョースターが頷いた。
時計は午前七時四十分を指していた。
今朝、一番早く起床したのが承太郎。同じタイミングでポルナレフが起床し、少し経ってからジョセフが目を覚ました。
三人は残りの二人を起こさぬよう、静かに部屋を出て、下のロビーで今後の予定を話し合っていた。
しかし、約束の時間を過ぎても二人は依然降りてこない。
「朝食を取らないつもりかのぉ…」
ジョセフのぼやきは、鳥の鳴き声に掻き消された。
「ん…」
リズミカルな音楽に混じって、遠くから何かが聞こえる。
これは赤ん坊の泣く声だろうか。
「ふぁ…ん…ん?!」
起き上がろうとすれば、何かに寄っかかって座っていることに気がつく。
昨晩と寝てる体制が違うじゃないか…と思い、薄らと目を開けると、異常事態に気がついた。
勢いよく立ち上がり、周りを見渡す。横に座っている犬がクーンと鳴いた。
「な、何で…?」
周り一面に広がるアトラクション。
響き渡るリズミカルな音楽。
それに混ざって遠くから聞こえる赤ん坊の泣き声。
「ど、どうして遊園地に?!」
そこは間違いなく遊園地だった。宿にいたハズなのに、遊園地にいるのだ。
そして、同時に理解する。自分が観覧車に乗っていることに。
観覧車から身を乗り出し、景色を一望するAは、悲鳴に近い声をあげた。
「ん…」
「っ?!」
突然後から呻き声が聞こえる。
振り返ると、先程Aが目を覚ました場所に花京院が座っていた。
「花京院さん!起きて、花京院さん!」
Aが花京院の体を必死に揺さぶる。
「A…?あれ…こ、ここは…?!」
ゆっくりと目を開いた花京院も、今自分がいるこの場所を見て、体を勢いよく起こす。
「な、何故僕たちは遊園地にいるんだ?」
「私も分かりません!」
花京院もAと同じように立ち上がり、ゴンドラから身を乗り出す。やはり彼の目に映るのも遊園地だった。
ふと、景色を見渡していた二人は気がつく。自分たちに向かって独りでに飛んでくる風船の存在に。
花京院は近くまで飛んできた風船に手を伸ばし、紐を掴む。そして、その先端に吊るされたものをみて、Aにこう叫んだ。
「スタンドだ!タロットカードの“13”番目の“死神”の暗示を持つスタンドだ!!」
「スタンド…攻撃?!」
彼の手に握られていたのは、死神の姿が描かれた“13”番目のタロットカードだった。
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東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» 応援ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年9月15日 0時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - 頑張ってください!(^^) (2018年9月14日 21時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» わあああい!!ありがとうございます!嬉しいお言葉頂きました!これからも何卒宜しく御願い致します(´ー`*) (2018年9月3日 14時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - この作品大好きです!僕もこんな神作書いてみたい(´・_・`) (2018年9月3日 10時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - もちこさん» コメントありがとうございます!そんな勿体ないお言葉を……!ありがとうございます、励みになります( ^P^) (2018年8月27日 22時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲 | 作成日時:2018年2月6日 19時