Episode 8 ページ11
そこに映っていたのは、全身に包帯を巻いた男だった。剣を握り、包帯の隙間から僅かにみえる鋭い双眸が、金具にうつる花京院の肩に乗り、剣を突きつけていた。奴の足場に、歯が食い込む寸前だった。
「まずいっ!J・ガイルだ!くそっ!」
ポルナレフが苛立たしげに扉を拳で叩き、「花京院!車を停めろ!」と指示を飛ばす。
「あぁ、分かってる!」
花京院はブレーキを踏み、車体を半回転させ無理矢理停車させる。
間一髪で降車していた三人は、勢い良く地面に擦れて出来たかすり傷だけで済んだ。
「間一髪助かったぜ…ありがとな、A…?!」
「ポルナレフ…気がついたか…」
ポルナレフは苦笑いを浮かべながら、Aに感謝を述べる。しかし、段々と恐怖なのか、それとも驚いているのか、はたまたどちらもなのか。そんな表情に変わっていく。そんなポルナレフは、花京院の表情をもう一度確認し、意味深な言葉を呟いた。
「な、なぁ、A…お前、あれが
ポルナレフがゆっくりとAを指さす。その声は微かに震えていた。
「え、み、見えるも何も…映ってたじゃないですか…?」
異常なポルナレフと花京院の反応に、同様を隠しきれない。
私、何かやらかした…?
「…先程と同じ質問をしよう。君は本当に
「だから私はスタンド使いなんて知りませんって…!」
静かに語気を強めるA。何故そんな質問をするのか意図は分からないが、自分を疑われ、理由も教えられずに気味悪がられるのは気分が悪い。
Aは二人から一歩だけ距離をとった。
「な、何故お二人が私をそんな警戒し始めたのは分かりませんが、私は敵ではありませんっ…」
「…」
その場に沈黙が下りる。
どれくらい経っただろうか。
ポルナレフが沈黙を破ろうと口を開いた。
「分かったよ、A。そんな怖い顔すんなって」
真剣な目付きから、車内でみせたあのへらっとした人懐っこい笑顔にコロッと変わる。そんなポルナレフをみて、Aの警戒心は一瞬にして解かれた。
「ところで花京院、J・ガイルのやつがいねぇぞ…?」
「ほ、本当だ…」
話しかけられ、ぼやっとしていた花京院がハッとする。周りを見渡すが、先程金具に映っていた男は見当たらない。
一瞬にして、辺りは緊迫感に包まれた。
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東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» 応援ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年9月15日 0時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - 頑張ってください!(^^) (2018年9月14日 21時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» わあああい!!ありがとうございます!嬉しいお言葉頂きました!これからも何卒宜しく御願い致します(´ー`*) (2018年9月3日 14時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - この作品大好きです!僕もこんな神作書いてみたい(´・_・`) (2018年9月3日 10時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - もちこさん» コメントありがとうございます!そんな勿体ないお言葉を……!ありがとうございます、励みになります( ^P^) (2018年8月27日 22時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲 | 作成日時:2018年2月6日 19時