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kwkm side
山「僕、自分が情けないです」
川「そんなこと考える必要ない」
山「だって僕、どうやってこの壁が作られたのかなんて、一度も考えたことなかった!河村さんが「綺麗なオメガ」って褒めてくれてたのはそういうことだったの……?」
最後は独り言のようにそう呟いて、山本はへたりこんでしまった。
川「山本」
さっきふくらさんから受け取った申込書を手渡す。
山「え……」
川「お前に面会希望が来た。こうちゃんからだ」
山「川上さんは、会うんですか?」
視線だけで俺を見上げる山本。ごめん、俺は……
川「俺は、会わない。こんなに俺じゃ……あの人に会えない」
きっと優しいあの人なら「気にするな」って言ってくれるんだろうけど、俺自身が自分を許せなかった。
山「僕は…………」
川「山本、こうちゃんに会ってこい。あの人を……河村さんを救えるのはふくらさんしかいない。だから頼む。こうちゃんに伝言してやって。「助けて」って」
山「川上さん……」
川「汚れた俺らじゃもうあの人たちに追いつけないけど、お前ならまだ戻れる。お前ならまだ、昔の俺らみたいにっ……!」
最後まで言い切る前に涙が溢れてきてしまって山本の前にへたり込む。ふわり、と山本に抱きしめられ背中を撫でられるが、涙が止まる気配はなかった。
山「僕、会ってきます。会って、話してきます」
山本の声は力強くて、頼もしくなったな、なんてぼんやり思った。
川「おう、ありがとうな」
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雪音(プロフ) - ゆーふぉ。さん» 恋人編も書きたいしsgi氏メインの話も書きたい(文才が追いつかない) 供給……待ってる…… (2020年11月27日 19時) (レス) id: e88b8137a8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉ。(プロフ) - 雪音さん» 恋人編もありありのオオアリクイ。供給全力待機してまし…() 僕もお話書かねば…供給を返さないと…() (2020年11月27日 14時) (レス) id: e1ece1687e (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - ゆーふぉ。さん» これは設定が秒で思いついたのに形にできないまま数ヶ月放置してたやつだから解決させられてほっとしてるわ……続編も書けたら書きたい所存 (2020年11月26日 23時) (レス) id: e88b8137a8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉ。(プロフ) - ゆっきまじ天才じゃん。なにこの神設定。オフィスの壁になりたいとこれほどまでに思ったことは無i((((( (2020年11月26日 23時) (レス) id: e1ece1687e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪音 | 作成日時:2020年11月25日 7時