検索窓
今日:8 hit、昨日:33 hit、合計:75,654 hit

11 ページ12

sgi side


須「すみませーん、物資配達に来ました〜」



門の前でそう叫ぶと、重そうな扉がギギギ…と開いた。


「許可証の提示をお願いします」



門番にお決まりのセリフを言われ首に下げてた許可証を見せる。許可が出ると物資を台車からトラックに乗せ替え中心地へと進む。



須「河村さーん、物資配達の須貝でーす」


河「ああ。いつもありがとうございます」


須「いえいえ。これないと生活できないでしょ」


河「おっしゃる通りです。そのうち内地だけで自給自足できればと思っているんですが」



なかなか難しくて、と息を吐く河村さんはオメガの名に恥じない美しさだ。



須「いつも思うんですけど、俺はここに入ってもいいんですか?」


河「貴方のことは信用してますよ。何か変な動きを見せない限りは……ね」



須「こっわ」


茶化したようにそう言うと、「まあ、貴方は真面目ですから大丈夫でしょうけど」と返ってきた。



須「そういえば、面会申込つっぱねたんだって?」



そう聞くと、河村さんの動きがピタリと止まる。「どこでそれを?」と聞かれたので「風の噂かな」と曖昧に答えておいた。



河「会ったところで話すことなんてない。僕はオメガの頂点ですから。オメガ至上主義を掲げている箱庭の主が、私情でアルファに会うなんてこと……あってはならない」



須「肩書とか立場とか、そういうの全部取っ払ったら会いたいって思う?」



河「………まさか。僕みたいな奴、あいつの隣にいるべきじゃない」



憂いを帯びた目でそう言う河村さんは、どちらかというと自分を下に見ているようだった。



須「ふくらさんが自分に見合わないんじゃなくて、自分がふくらさんに見合わないと?」



河「貴方の言う風の噂は、アルファの名前まで聞こえてくるのかな?」



それ以上聞くな、と言われているようだった。諦めて話を切り上げると最後にぽつり、河村さんが呟いた。



河「今の僕がふくらに会うことはないよ。でも……そうだね、もし中学の時からやり直せるなら、僕はまだあいつの隣にいたかもしれない」



詳しく聞く前に「じゃあまた」と言われてしまい、俺は出ていくしかなかった。

12→←10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
96人がお気に入り
設定タグ:オメガバース , QK , fkmr
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雪音(プロフ) - ゆーふぉ。さん» 恋人編も書きたいしsgi氏メインの話も書きたい(文才が追いつかない) 供給……待ってる…… (2020年11月27日 19時) (レス) id: e88b8137a8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉ。(プロフ) - 雪音さん» 恋人編もありありのオオアリクイ。供給全力待機してまし…() 僕もお話書かねば…供給を返さないと…() (2020年11月27日 14時) (レス) id: e1ece1687e (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - ゆーふぉ。さん» これは設定が秒で思いついたのに形にできないまま数ヶ月放置してたやつだから解決させられてほっとしてるわ……続編も書けたら書きたい所存 (2020年11月26日 23時) (レス) id: e88b8137a8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉ。(プロフ) - ゆっきまじ天才じゃん。なにこの神設定。オフィスの壁になりたいとこれほどまでに思ったことは無i((((( (2020年11月26日 23時) (レス) id: e1ece1687e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪音 | 作成日時:2020年11月25日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。