宵のばけもの【文豪ストレイドッグス】

第二四話 暗転 ページ24

私の掌を敦くんに向けて伸ばすと、敦くんが此方に気付き顔を向ける。


そして。









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突然、敦くんの顔が、くしゃりと苦しそうに歪んだ。


｢ぐあ……っか、は、っぅ｣


そして、呻きながら地面に突っ伏す。



｢敦君！｣

太宰さんの、焦った声。






……何が、起こった？



焦る太宰さん。

此方を呆然と見つめる芥川さん。

後ろを振り向き、驚いて目を見開く樋口さん。


そして、私の足元で苦しそうに悶えている敦くん。



……私は、一体『何』をした？



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静寂。


まるで此処だけ世界から切り取られたかの様に、奇妙な空気に包まれる。



其れを破ったのは、近付いて来た第三者の声だった。




｢敦！ しっかりしろ！｣



｢国木田君！｣

太宰さんが走って来た国木田さんに向かって、私の方を見て目配せする。



｢A！｣

芥川さんが焦った声で私を呼ぶ。

其の意味を理解する間も無く、私の首筋に手刀が叩き込まれた。


｢っう……｣


地面に倒れる事はさせてもらえずに、国木田さんの腕の中へ抱え込まれる。

どうにか其処から逃げようとするも、力も入らないし余計強く抱え込まれるばかりだ。




…………ごめん、なさい……


次第に其のまま、私の意識は暗転していった。

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