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恋文を貰った。
相手はよく知らない一般隊士さん。
こういったことは初めてではないが、よく知らない人からの恋文には毎度複雑な気持ちになる。
「A、それなに?」
私がその恋文を読んでいると、後ろから霞柱様に声をかけられた。
「お手紙です。」
「……誰かに渡すの?」
「いえ、頂いた物です。」
お返事書かなきゃ、なんて思っていると
「あっ」
私の手にあったそれは、霞柱様の手に。
「ちょ、返してください!」
「ふーん。これ恋文みたい」
人から手紙を奪った挙句、勝手に読み出す霞柱様。
「あの…返してください」
「……何?そんなに大事なの?これ」
いつもより低い声、怪訝そうな顔でそう聞かれる。
「大事といいますか…殿方の気持ちがこもっていますので、
決して雑に扱って良い物ではありません。」
「……」
「霞柱様?そろそろ返してくだ……ひゃっ!」
黙ってしまったかと思えば急に距離を詰められ、
そのままドサッと畳に押し倒された。
「あ、あの…これはどういう?」
「…やだ」
「…え?」
「あんまり他の隊士と仲良くしないで…」
何を言い出すかと思えば先程とは裏腹に、弱々しい声でそう言う霞柱様。
「うーん、背中が痛いです霞柱様」
「……ねえ、僕の話聞いてる?」
霞柱様の行動が読めなさすぎる。
なにを考えていらっしゃるのかも分からない。
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るな - 無一郎君が好きなのでこんなお話みたいに共同生活したらなと一緒のお布団に寝るのは恥ずかしいけど。 (3月22日 1時) (レス) id: 9a0d82b2e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたかもしれない | 作成日時:2024年2月28日 10時