プロローグ ページ2
ある、大きな門扉の前。三人の人影があった。
一人は、軍服を着ており腰には二つの刀を帯刀している女。
そして、彼女の横に控えている黒い燕尾服を着た執事らしき男が二人。
そんな、彼女らの目線はただ一点に目の前の扉に注がれていた。
貴「む……。此処が、依頼された場所であっているのか?」
彼女が、口元だけの狐面から少しだけ声を漏らす。
?「はい、此処がそうだと思います。外観は、綺麗にされておりますが少し中から嫌な感じがします」
男が、少女に返答すると彼女は少し顎に手をあてて門扉の奥にある屋敷を見やる。
貴「む、そうか。依頼主もこの中に居る、か……」
彼女が、少しだけ瑠璃と金の瞳を細める。
貴「まぁ、簡単には部外者を通さないだろうな。強行突破の方が、良いかもね」
そう言うと、腰のポケットから黒い手袋を取り出すA。
貴「ふぅ、さて……。八雲さん、終夜さん。中に入りますが大丈夫ですか?」
彼女が、後ろに控えていた八雲と終夜に問えば笑顔でコクリと静かに頷く。
八「大丈夫です。此方は、気にせずお進み下さいませ(*^^*)」
そう微笑む、二人に少し苦笑いをこぼすA。
貴「いえ、お二人はとても大事な方なので……。怪我をしたら私に言ってください」
そう、彼女が言えば嬉しそうにする八雲と終夜。
終「はい、承知致しました。もちろん、A様もどこかご気分などが優れない場合は私達にお申し付けください」
終夜が、少しだけ眉を顰めれば「嗚呼、分かっています」と軽く返事を返すA。
貴「それでは、依頼開始……」
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作者名:千本桜 | 作成日時:2018年8月24日 23時