第三話 ココロ ページ8
〜Aside〜
私は今、ロマニ様に連れられて着替え室?と言う場所に来て着替えをしている。目の前の綺麗な人に、着物?を着させて貰っている。
目の前の人は、ずっと優しく笑って私の着替えを手伝ってくれているが……。私は、何だかとても迷惑をかけているなと思ってしまった。
前の所では、一々着替えなどしていなかった。着ていた服が、ボロボロになるか血に染まったら返る程度だったから私だけの為にこれは少し大袈裟な気がした。
そんな事を思っていると、いつの間にか着替えが終わっていました。
女1「はい、終わり!お疲れ様、Aちゃん。ふふ、とっても似合うわよ。頑張って選んだかいがあったわぁ」
貴「……え、っと。ありがとう、ございます」
私がそう、小さくお礼を言う。すると、目の前の方は私の頭をロマニ様と同じように撫でた。
女1「……ううん、良いのよ。貴女はもっと、私たちに頼って良いの。って言っても、貴女にはまだ少し難しいことかもしれないけれど。
大丈夫よ。私たちは、貴女の味方だから」
貴「…………」
「はい」と、言うことが出来なかった。自身でも、何となくは分かっている。初めて聞いた【味方】という言葉。
元居た場所では、決して聞くことが無かった言葉。嗚呼、きっとこの人たちは優しい人なんだと分かった。
優しい、という感情が分からないが何となくであれば少しは分かる。けれど、こんな私をなぜ皆様は優しくしてくれるのか分からない……。
女1「……さて、ロマニさんも居ることだし行きましょうか。もうすぐ、説明会も始まるわ。
後のことは、きっとロマニさんが分かっているから着いて行ってね」
そう言い、目の前の方が言い終わると「ロマニさん!」と外へ一言声を掛ける。すると、すぐに扉が開いてロマニ様が現れた。
ロ「嗚呼、凄い似合ってるよAちゃん!!うんうん、日本の和装?は初めて見るけど可愛いね。
Aちゃんが着てるのは、確か巫女服?って言って神様に仕える女性が着ているモノらしくてね。キミにきっと似合うと思ってオーダーしたんだ」
貴「その、わたしのためだけに、このようなふくをいただくのは、その……。とても、おそれおおいです。
わたしは、もっとうすいふくでもだいじょ」
その後の言葉は、紡がれることはなかった。其れは、ロマニ様が私の肩にそっと手を置き苦しそうな表情をしていたから。
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作者名:千本桜 | 作成日時:2020年2月18日 17時