帰還 ページ3
〜Aside〜
あれから、ボスから任されていた任務を終え拠点地へと戻る。
拠点地の巨大な黒ビルの最上階。そこに、私のボスは居る。
私はすぐさま、エレベーターに乗り込むとすぐさま最上階のボタンを押し透けた窓から外を見つめる。
此処からは、ヨコハマの街を一望できるため私の気に入っている場所だ。
私が暫く、外を見つめているとポーンという音が聞こえ扉が開く。
貴「………………」
私が静かに、ゆったりとした足取りでエレベーターから降りるとボスの部屋へと向かう。
貴「……………………ボス、私です。月神です」
私が、黒い大きな扉に向かって小さく声をかける。
すると、「入れ」と低い威圧のある声音が聞こえ私は扉を開けた。
貴「ボス、失礼します。月神、ただいま帰還致しました。報告致します」
すると、ギィッと椅子の軋む音と共にボスがコチラを見やる。
?「ご苦労だったな、月神。あの無能な組織は、邪魔だったからな。よくやった」
ボスは、静かに威圧のある声で前で手を組むように話す。
貴「いえ……。私は、兵器です。私の事は、気にせずご命令を。私は、銃を取り壊れるまで戦うのみです」
私が、静かに頭を下げてそう言う。すると、ボス……。黒牙 トバリ。
黒「月神、お前は無理をしていないか?」
貴「いえ、私は……。私は、兵器です。疲れなど、ご心配は無用です」
私が、目を伏せながら言えば「そうか」とボスは言う。
黒「月神、明日はまた新しい任務がある。今日は、ゆっくりと休め」
ボスは、椅子を立ち上がると私に近づき頭をゆっくりと撫でる。
貴「………………ボス、これは何ですか」
黒「ん?褒美だ。任務の報酬が無いのは、些か物寂しいだろう?これで、我慢してくれ」
ボスは、先程とは違い優しく微笑み私の頭を撫でられる。
貴「……分かりました。武器が、完全でなければボスも困りますでしょうし」
私が、合っていると思った言葉をつらつらと並べるとまたボスの顔が悲しそうに歪む。
黒「…………まぁ、良いか。月神、コレだけは忘れるな。俺は、お前を兵器や武器とは思ったことは無い事をな」
最後に聞いた、ボスの言葉が少し私では分からなかった……。
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作者名:千本桜 | 作成日時:2018年10月28日 22時