11話 狂気の笑み ページ13
｢…っえ……？｣
レティが天使の笑みを崩して、声を漏らす。私も正直驚いて口が開いてしまっている。
…先輩が、どうしてこんなことを……
｢っくっはは、冗談やん！なーに真面目な顔してんねん！ひははは！！｣
｢も、ぞ……ゾムったらぁ〜！！そういうのやめてよ〜｣
冗談かよ、と一瞬緊迫したこの場の空気が緩くなる。…先輩が、レティを威圧した。
それは他の幹部の方には分かっているはず。…どうして先輩がレティを威圧したのかと言う点だけは不明だろうけど。
それに、先輩のこの笑いは……嘘の時。ちらっと前髪の間から覗かせた目が全くと言っていいほど笑っていない。
｢…ああ、でもひとつ言っとくけどな……｣
先輩がはっきりとした殺気を放って口を歪ませて笑いながら言う。…違う、これ殺気じゃない……狂気だ。
｢躊躇なく殺すのはこの場にいる全員同じやからな｣
空気が硬直する。
｢…ゾム、落ち着け｣
｢……｣
総統がゾムの頭に手を置いてぐりぐりと撫でると、上がっていた口角が下がる。
｢…すまん、ちょっと抑えられんかったわ｣
申し訳なさそうに言う先輩に、また少し胸が痛んだ。
この狂気も、先輩の興奮状態の時の症状。先輩にだけ聴こえるように小さな声で言う。
｢…先輩、庇わなくていいんです｣
｢たった1人の相棒くらい守らせてくれや｣
間髪入れずに先輩が言う。
その声があまりにも弱々しいもので、何も言い返せなかった。
凍りついた空気も徐々に解けていって、いつも通りの…とはならなかった。
レティが静かになってしまったから。
恐らく、この出来事は彼女のシナリオを大きく揺るがしたんだと思う。
…自分の思いどおりに行くはずの物語が、少しづつ変わりつつあることに気が付き始めたのかもしれない。
彼女が完全に気づいたら、私はどうなってしまうんだろう。
……いや、私が令嬢じゃなかった時点で既にシナリオは狂っていた…？
｢ん、どうひたんAへんへんくっえらいわん｣
｢飲み込んでから話してくださいよ…｣
もぐもぐしながら話そうとしている先輩に少しだけ呆れてしまう。こういう姿を見ると、さっきの姿と同一人物とは思えない。
ごくん、と飲み込んで先輩が口を開く。
｢いつも以上に食ってへんやん｣
｢…食べられなくて……お腹すいてたはずなんですけど、少し食べたらすぐ満腹感が｣
｢でも、お料理残すの勿体ないよ？｣
｢…｣
レティが、初めて私に噛み付いてきた。
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ひーの - すみません、この作品の12話にのせられている「ヨルの子メーカー」の画像は、削除した方が良いと思います。詳しくは「ヨルの子メーカー」と調べたら出てくると思います (2022年10月25日 21時) (
レス) @page12 id: c39d7e026e (このIDを非表示/違反報告)
ちいちゃん - 続編おめでとうございます！(*’ω’ﾉﾉﾞ☆ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ此方でも楽しんで見せていただきます！ (2020年12月27日 11時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - noaさん» そう、ギャラクシーワンなのよw そろそろバルスの時間だよ！w フォローありがとうございやす！Twitterでもぜひぜひ絡んでくださいまし！ (2020年6月6日 9時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - クロさん» 新展開来ましたよ！！リプ遅くなっちゃったから心臓止まったか……いや止めないで！？w 聖女(笑)ちゃんはお糞よ。更新も頑張るお☆ (2020年6月6日 8時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - よにんさん» 新展開きちゃ〜← 新展開になっちゃったが正しいっす((( (2020年6月6日 8時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸桜＋α
| 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2020年5月18日 9時
