14話 穴だらけ推理もどき ページ10
「Nakamu様が?」
「うん、リンさんは学園の貴族の中で一番しっかりしてるって言ってた。だから俺も信用する。リンさんいい匂いするし」
ふにゃっと笑うbroooock様にさっきまでの警戒心は見られなかった。Nakamu様私の事広めすぎじゃ…いや、喜ぶことなんだけれどね。
治ったから、会場戻ろうと立ち上がったbroooock様は私に手を差し出した。
「そうですね」
こういう紳士なところ、我々国と違うわ。ワイテルズ国はきっと素晴らしい国なのね…
また、私の中で何かが揺れた。
会場内が混乱に陥ってるとは知らずに、私達はホールへと足を進めた。
ドアの前で突然止まるbroooock様にぶつかりそうになった。
どうしたのかと聞いても反応がない。
「…騒がしいですね……何かあったのでしょうか…」
「中から女の子キーキー声がする…」
あからさまに顔を顰めたbroooock様。どうやらよほど散々な目に遭ったようね…
「broooock様はここでお待ちください、私が先に入りますので」
broooock様を後ろに下がらせて、ドアをゆっくりと開けた。
どうやら中心で騒いでいたのはキャルベッスさん。生徒会の人は困惑したように動けていなかった。
このままじゃ埒があかないので、隣にいた人に話しかけた。
「ねぇ、何かあったの?」
「っリン様……あ、その……どうやら食堂が誰かに荒らされていたようで……リリィ様が、リン様と生徒会のノエルさんがやったと……」
なるほどねぇ…公の場で面倒なことをしてくれたわ。まぁ、これも好機ね。
そう受け止める他ないわ。私は中心へと向かう。
「何を騒いでいるの」
「っリン様ぁ!!」
「チッ……犯人は現場に戻ってくるってことね…」
探偵気取りのようにキャルベッスさんが呟く。よく見るとゾムの顔に血筋が見える。
何をしたのか知らないけど…
「犯人とは、どういう意味です?」
「なにをとぼけてんのよ…ノエルと食堂をめちゃくちゃにしてワイテルズ国の方々に迷惑をかけて…っ。ありえないわ!」
「食堂…?……そんなに熱弁するって事は、私達がやったという証拠があるのね」
「…っあ、あるわ!」
「なら言いなさい。今ここで、私たち全員が納得せざるを得ないような証言を」
探偵の真似事なんて、貴方には無理よ。
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クロスてゃん - ありがとうございますぅぅぅ!アルネの事件簿と気づいてガチ泣きしました…本当に嬉しいです更新頑張ってくださいね! (2021年11月23日 23時) (レス) id: c934f9389d (このIDを非表示/違反報告)
??? - この小説なんなん? まじ泣きしてしまうわ (2021年10月3日 20時) (レス) @page27 id: 2651f7c57d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - この使用人たちの名前。主人公の名前。家が大火事。………おっとぉ??? (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - もし違ったら失礼なのですが。この小説の使用人たちの名前って、某超絶イケメンの最凶の吸血鬼エビリィ!ブラッティ!ノインテーター!!のお方とあの触覚が愛らしい吸血鬼マニアちゃんとその他いっぱいの人気推理ゲームじゃないすかぁ!何ですかこれ、素敵です!! (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
理那(プロフ) - そうだ、名前変換で気付かなかったんだ。この主役、"リン"ちゃんだ。 (2020年8月2日 18時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年4月2日 10時