7話 ページ7
「…演劇部…演劇部って」
事件は早くも次の日に起こった。
夢ノ咲学院の演劇部の指導を頼まれ、早速アイドル科に足を踏み入れたが…
正直に言うと、この校舎のどこかで夏目が息をしているという事実に興奮してすっかり忘れていたのだ。
顔には出さないが、心は有頂天のまま椚先生に言われた所まで向かう。
演劇部の部室。
その扉の前に立ち、なんだか嫌な予感がして開けようとドアノブに伸ばした手を一度引っ込める。
…何となく、そこに居る気がする。
いや、後ろだ。
あぁ、もう。
どうして頭から抜けていたのか。
良くも悪くも忘れる訳がない奴のことを。
「おやぁ?入らないのですか?」
「……」
「あれ、無視しないで下さいよ〜Aさぁ〜ん」
「帰ル」
踵を帰し、来た道を戻ろうとしたが一歩遅かった。いつの間にか体に巻きついていた髪の毛で前に進めなくなった。
控えめに言って気持ち悪い。いや控えめに言わずとも気持ち悪い。
見る度に思うけど、なんで髪の毛動くの?
「久しぶりに会えて私は嬉しいんですよ?ほらほらぁ、目を合わせてくださいよ」
「見んな触んな近づくナ、殺すゾ」
「相変わらず過激ですねぇ…そんなところも素敵です!」
相変わらずだなコイツ。
「変態仮面?何をして___
…………通報が必要か?」
演劇部の扉が開き、中から顔を出した黒髪の青年が私にそう確認をとってきた。
是非と、頷けばスっとスマホを取り出した。
「ちょちょ北斗くん待ってくださいよ」
「待つかこの変態。とうとう女性に手を出したかこの変態」
「2回も!もうそれ愛称じゃなくてタダの悪口ですよね!?」
なんて2人が言い合っている間に変に崩れた制服を整える。
……最悪。
演劇部って日々樹渉いるんだよ…なんで忘れてたの本当に。
何とか通報を免れたようだが、今度は日々樹ではなく黒髪の子が私の方へと話しかけて来た。
「うちの部長が失礼した。それで、演劇部になにか用か?見たところアイドル科の生徒ではないが……今更だが不法侵入では無いな?」
「もちろン、これ許可証。今回はアイドル科の先生……って言うカ、先生を通してさっきの変態に呼ばれたみたいなんだよネ」
「……どこかで会った事があるだろうか?」
首を傾げる黒髪くんに、つい私も首を傾げる。
どこかで?
私にはそんな記憶は無いんだけど。
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ゆあ(プロフ) - 名前見て「え…いや偶然?えでも…」ってなりましたw知ってらしたんですね…! (2022年8月26日 10時) (レス) @page11 id: 5acf3927f5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月天音(プロフ) - ずっと読んでてむっちゃ好きなんですけど、まさかPOGも知ってるなんて…名前から予想はできてたけど!!さらに好きになりました!! (2022年8月26日 10時) (レス) @page11 id: 2a080b2c68 (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子 - エ、画像がとっても綺麗だネ!あト、‘’目付きが悪い(以下略)”の作者だったんだネ。僕はその作品好きな作品の内の一つだかラ、宣伝であった時はびっくりしたヨ。更新頑張ってネ! (2022年8月16日 0時) (レス) @page7 id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(自称天才☆)(プロフ) - イメ画がほんとの雑誌見たい...!すごいです!画力ちょっと分けてください(( (2022年8月12日 7時) (レス) @page6 id: 2c52dd1a0d (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - イメ画すんごい好きです。大切なことだからもう一度言います。ものすごい好きです。 (2022年8月9日 17時) (レス) @page6 id: 2801323682 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸桜+α | 作成日時:2022年8月4日 18時