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54話 ページ9

その言葉はリドル君の口から発せられたものだった。

嫌な予感とは何となく分かるし、よく当たる。これは、巻き込まれる。

トントンもそんな私の心境に気づいたのか苦笑している。


「…リドル、先輩?何が違うの?」

「…君じゃない。…もっと、優しくて暖かかったんだ……」


ユウさんを軽く押して自分から離した。立ち上がって一点を見つめるリドル君。

その視線の先にいるのは私。ゆっくりとこちらへ歩いてくる。


それを無視する訳にも行かず、帰ろうと出口へ向けていた体をリドルくんに直した。



やっぱり、リドル君はどこかコネシマに似ている。

タイプは全く違うのに不思議ね。


腕を広げてみれば勢いよく飛んできた。




「…夢で教えてくれたのは…貴方だった。

気持ち、みんなに伝えられました。ボクは、ちゃんと大事にされてたんですね…

気づかせてくれて本当にありがとうございます」



「お礼なんていらないわ。1番頑張ったのは、リドル君なんだから」








「…って、ちょっ、寮長何してんのぉ!?ずる…じゃなくて、何抱きしめてんの!?」


エース君の声にハッとしたリドル君が徐々に顔を真っ赤にしていく。


「こっ、これは…!」

「…ぶっ…はははは!」


トントンの笑い声が庭中に響く。つられたように笑い出す寮生たち。



「でも、リドル君の気持ち何となく分かるかも!Aちゃんってなんかお母さん感凄いじゃん?」

「…あら、そうかしら?けーくんも来る?」

「……なんか、キュンときたとかじゃなくて、心が暖かくなったんだけど…え、なにこれ〜…てか!けーくん呼びお初!」


そう言いつつ、Aちゃ〜ん、と腕を伸ばしながら来ようとしてるのをトレイに止められている。


「ふふっ…そうだ、ラインヴァイス先輩」

「Aでいいわよ、リドル君」

「では、A先輩……後日の『なんでもない日』のパーティーに是非参加して下さいませんか?」



私の前に跪いて片手を差しのべるリドル君。

離れたところにいるユウさんが大きく目見開いていた。



「…なん、で……?」


「…監督生、どうかしたのか?」



デュースが心配して声をかければ、拳を握りしめたユウさんが叫んだ。




「なんでパーティーに誘われるのが私じゃなくてアンタなのよ!」



「いや、当たり前やろ…」

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無名 - とっても面白いです!応援してます!更新楽しみにしてます! (2022年12月4日 1時) (レス) id: f5e9d6662d (このIDを非表示/違反報告)
お肉より魚派(プロフ) - めっちゃ面白かったです!!更新待ってます!!! (2022年8月25日 21時) (レス) @page14 id: e800e0edc6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤモリ(プロフ) - 続きが気になりすぎる( ・᷄-・᷅ ) 更新楽しみにしてます! (2021年12月31日 4時) (レス) @page14 id: 34e094f64d (このIDを非表示/違反報告)
runva - 続き…楽しみ…3周…するのはやい…おもろい…飽きん…好き… (2021年12月16日 20時) (レス) @page14 id: b1b697b532 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごい!面白い!カッコイイ!の連発でした!続きとても気になります!!どうか続き書いて下さい!!お願いします!それに神作にあえて良かったぁ〜ε-(´∀`;)ホッ (2021年12月1日 19時) (レス) @page14 id: 20fdbcd504 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2020年12月5日 11時

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