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49話 ページ3

「お話……?」


「えぇ。貴方と同じように幼少期に厳しい教育を受け続けた子のお話。

その子は、とある小国の国王様の一人息子だったの。その国の王様は…残念な事に暴君だった。

気に入らない事があれば我儘、兵の首だって言葉一つで簡単にはねてしまった。


でも、その国王様は病気を患っていました。一人息子に自分の跡を継がせる為に、完璧な王にする為に……

厳しい…教育……もはや、そう言っていいのか分からない指導をその少年は受けたの……

16年間も」



私の胸の中で、リドル君が顔を上げて私を見つめた。


「…いったい、どんな教育だったの?」




「…一日の15時間は教育者による座学。座学が終わった後は1時間のテスト。その日の振り返りのようなものね……

そのテストで100点が取れなければ、折檻。熱湯を手に掛けたり、3日間の絶食だったり……国王の気分だった」


体を強ばらせるリドル君。



「…火傷を負っても、空腹でどうしようもなくても……“教育”が無い日はなかった。

……私達からしたらありえない日常。でも、少年にとってのそれは、当たり前の事だった。

出来なければ痛い。怖い。


その少年は、外の世界を知らなかったから……自分が辛い状況であることすらわからなかった。

唯一ある感情は『恐怖』。

やがて、唯一あった感情…『怖い』がなくなって…


少年は、人形になった」




「…その少年は、どうなってしまったんだい?」


不安そうなリドル君の頭を優しく撫でる。柔らかい赤毛が指の間をすり抜けていく。


「…ふふっ、驚くことに今では沢山の素敵な仲間に囲まれて毎日わいわい騒いでるわ」


「えっ!?」


「その少年は仲間思いの素敵な人になった。ムードメーカーって感じね。

ある人達との出会いが、彼を変えた」




出会い?と不思議そうなリドル君に威厳はなく、年頃の少年のようだった。


「最初こそ、他人の言葉を聞くような子じゃなかったわ。信じてるものは自分のみ。

愛を知らない子だったのよ。

子供のための教育ではなく、自分のための教育…あの王は、人でなしよ。本当に。

王妃も、恐怖で支配されて廃人になってしまっていた。


あの子は可哀想な子だったけれど、ちゃんと自分の意思を持つことが出来た。

人間に、変われた」





「…ボクは…」



リドル君が口を開いた。

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無名 - とっても面白いです!応援してます!更新楽しみにしてます! (2022年12月4日 1時) (レス) id: f5e9d6662d (このIDを非表示/違反報告)
お肉より魚派(プロフ) - めっちゃ面白かったです!!更新待ってます!!! (2022年8月25日 21時) (レス) @page14 id: e800e0edc6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤモリ(プロフ) - 続きが気になりすぎる( ・᷄-・᷅ ) 更新楽しみにしてます! (2021年12月31日 4時) (レス) @page14 id: 34e094f64d (このIDを非表示/違反報告)
runva - 続き…楽しみ…3周…するのはやい…おもろい…飽きん…好き… (2021年12月16日 20時) (レス) @page14 id: b1b697b532 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごい!面白い!カッコイイ!の連発でした!続きとても気になります!!どうか続き書いて下さい!!お願いします!それに神作にあえて良かったぁ〜ε-(´∀`;)ホッ (2021年12月1日 19時) (レス) @page14 id: 20fdbcd504 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2020年12月5日 11時

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