【d!】捻れ歪んだ世界の主役は我々だ！ 第二章【ツイステ】

56話 ページ11

プロターゴニスト寮に帰れば、私の怪我に気付いたシャオロンが大騒ぎした。

…肘の擦り傷、服で見えなかったはずなのにどうして気付いたのかは不問にするけど。


私が怪我をしたと騒いだシャオロンの話を聞いたひとらんが日本刀を片手に寮を出ていこうとするし、｢しゃないなぁ｣と笑うオスマンの目は笑っておらず。


…ほんと、私も大事にされてるわね。











｢えっ！？リドルがバーサーカーって…大丈夫だったん？｣

｢…そういえばロボロはリドル君と同じクラスだったわね。あと、オーバーブロット｣


食事の時に驚いて声を上げたロボロ。


｢…いやぁ、あのリドルがかぁ｣

｢しっかりしとる分、溜め込みやすかったりしたんやろなぁ｣


リドル君と関わりのあるロボロとトントンの会話。

真面目な顔をしたトントンがパスタを食べるのに使っていたフォークを置く。軽快な音がやけに鮮明に聞こえた。


｢…ちょっとええか。リドルのオーバーブロットの件で少し話したいことあんねんけど｣

わちゃわちゃとしていた皆もトントンが口を開くのを待っている。



｢…不思議の国のアリスって童話知っとるか？｣

みんなが頷く中、1人だけ首を傾げだコネシマにあらすじを話すショッピ。

話を聞き終えて、理解したのかしていないのか、さほど興味無さそうに話の続きを促した。


｢…みんなも薄々気づいてるとは思うけど、この学校はおとぎ話の悪役たちが関わってんねんな。

例えば、ハーツラビュル寮は『不思議の国のアリス』の悪役、ハートの女王をモチーフにした寮だったり。他ん所もおんなじようなかんじやってん。

おまけにハーツラビュル寮生たちのラストネームはトランプ、ファーストネームは数字。こんな偶然そうそう無いやろ…？

…Aさんは見たから分かると思うけど、リドルのオーバーブロットした時の姿がハートの女王みたいやった。


気味悪いってのがここまでの感想や。


ここからはあくまでも憶測の話。可能性があるってだけやねんけど、今後もこういうことが無いとは限らへん。

でももし、それが起きた時…

うちの寮、他の寮かは分からへんけど誰かしら危険な目にあうんちゃうかって｣





黙って聞いていたコネシマが口を開いた。





｢…結局何が言いたいん？他人守るとか、お前はそんな善人ちゃうやろ｣

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