48話 ページ2
楽しそうなリドル君達の映像が次々と流れていく。
【トレイとチェーニャと遊ぶのは】
【すごく楽しかった】
【知らないこと、やったことない遊び】
【二人は沢山教えてくれた】
微笑ましいと思う反面、どこか胸騒ぎがした。幸せは長くは続かない…って、言うじゃない?
【それから1日1時間だけの自習時間は】
【毎日お母様に内緒で】
【部屋を抜け出した】
『えっ!リドルってイチゴのタルト食べたことにゃーの?』
『うん、お母様が体に毒だからだめって』
『そりゃ食べ過ぎは良くないかもしれないけど……
あのさ、俺んちケーキ屋なんだ。今から食べに来いよ』
『えっ…………でも』
『1切れくらい、大丈夫だって』
『俺はホールごと食いたいくらいだにゃあー』
【真っ白なお皿に乗った、真っ赤な苺のタルト】
【ボクにとっはどんな宝石より】
【キラキラ輝いて見えた】
【ひと口食べたタルトは、すごく甘くて】
【食べたことがないくらい美味しくて……】
【ボクは一口ずつ】
【味わいながら】
【夢中になって食べた】
【__時間を忘れて】
そう言った影は、姿を現した。
私の目の前まで歩いてくるリドル君の表情は『無』。
それでも瞳だけはどこか寂しげな雰囲気を醸し出していた。
無表情のリドル君が口を開いた。
「…自習時間、こっそりと抜け出していることがお母様にバレてしまってから、トレイとチェーニャに会うことが禁止された。
次の日からは今まで以上にお母様の教育が厳しくなった。
ルールを破れば楽しい時間まで取り上げられてしまう。
だからお母様の言うことは絶対に守らなきゃ。この街で1番優秀なお母様はいつでも正しいはずだから。
でも…どうしてだろう。何故だかとっても胸が苦しいんだ……
…お誕生日だけでいいから、いっぱいタルトが食べたい…
お外でいっぱい遊びたい…
もっといっぱい友達が欲しいよ……」
私に縋り付くリドルくんの姿は、何も知らない赤子。なんだか、懐かしい。
あの子たちもこうして辛い過去を抱えていたのよね…
私に縋り付くリドル君を優しく抱きしめる。…華奢な体。
「教えて…ママ……どんなルールに従えばこの胸の苦しさは消えるの…?」
「…ひとつ、お話をしてあげるわ」
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無名 - とっても面白いです!応援してます!更新楽しみにしてます! (2022年12月4日 1時) (レス) id: f5e9d6662d (このIDを非表示/違反報告)
お肉より魚派(プロフ) - めっちゃ面白かったです!!更新待ってます!!! (2022年8月25日 21時) (レス) @page14 id: e800e0edc6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤモリ(プロフ) - 続きが気になりすぎる( ・᷄-・᷅ ) 更新楽しみにしてます! (2021年12月31日 4時) (レス) @page14 id: 34e094f64d (このIDを非表示/違反報告)
runva - 続き…楽しみ…3周…するのはやい…おもろい…飽きん…好き… (2021年12月16日 20時) (レス) @page14 id: b1b697b532 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - すごい!面白い!カッコイイ!の連発でした!続きとても気になります!!どうか続き書いて下さい!!お願いします!それに神作にあえて良かったぁ〜ε-(´∀`;)ホッ (2021年12月1日 19時) (レス) @page14 id: 20fdbcd504 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年12月5日 11時