99話 片割れとしての役目 ページ12
チーノside
ジリジリと鳴る目覚まし時計を叩いて止め、疲れが残る体を起こした。
…A先輩、起きたんかな。
というか昨日の事は本当だったのかな。実は、全部夢でまだレティは普通に暮らしてて。
……なわけないか。
こんなにも食堂が静かなんやから。
…全員、目に光がない。
…全員、絶望してるんか。
運ばれてくる食事を見て、昨日の出来事をはっきりと思い出す。
ひとらんさんが作ってくれた味噌汁にレティが毒を入れて。
A先輩はいち早くそれに気づいて俺らが飲まへんようにしてくれて。
…昨日は殺気に満ちていたゾムさんですら今日は気力すら感じられない。
食事が運ばれてきたって言うのに誰も手をつけない。…俺も、つけてへんからあんま人の事言えないけどな。
…こんな時、A･フリージア先輩ならどうするんかな。
『…なんで誰も食べないのか知りませんけど、早く食べないと…冷めますよ』
そう言って、ゾムさんにそう言って一人でも食べるんやろうなぁ…
……こんな時だからこそ、A先輩がいないからこそ…
…きっと、今この時もこの国の、未来への分岐点や。
何のために、俺はここに連れてこられた。
誰の為に、俺はこの身を、腕を捧げた。
…答えとしては０点だとしても……
俺は、A先輩が片割れであったからこそ、ここで共に頑張ろうと思えた。
連れてこられた事を後悔せずにいられてる。
……A先輩は、何を思って『聖女』になったのか、考えなくても分かるやろ…俺。
先輩が目を覚ました時、変わってしまった城のヤツら見てどう思うか。
考えなくても、分かるやろ。
どんなに酷いことされても、A先輩がこの人らを大好きだった事に嘘は無い。
…その中に、俺もちゃんと入ってるかな。
…俺は、預言者として…
A先輩が大好きな一人の後輩として…
智野 侑磨として…
チーノとして。
あの人の居場所を、守らないと。
だから、大きな声で言おう。
｢いただきます！！｣
少し冷めてしまった朝ごはん。
｢うっま！やっぱり朝ごはんは温かいうちに食うべきやわ！そう思いませんか、皆さん｣
心からの、笑顔でいよう。
決して嘘ではない、元気を振舞おう。
A先輩が守りたいものを、守り抜こう。
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あまね(プロフ) - イヤァァァァアすきいああ (10月28日 17時) (
レス) @page13 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
食パン - やばい 今まで長いものは飽きて最後まで見れなかったのにこれはめっちゃ気になって最後まで見れた！！こんな神作作ってくれてありがとうございます！！！ (8月22日 22時) (レス) id: 5f87212f07 (このIDを非表示/違反報告)
さむちゃ - 更新ほしいです(泣)時間がかかってでもいいので更新待ってます！(体調には気をつけてください) (8月15日 19時) (レス) @page13 id: 3351acd640 (このIDを非表示/違反報告)
ミーツ - めっちゃ好き…悪女のキチ具合にビビりましたが、所々にあるz.mさんとのイチャイチャが尊い…ﾁ.ﾉさんのもう1人の僕感もいい…もう更新はないのかな…(泣) (2023年3月29日 17時) (レス) @page13 id: 99599f2a1c (このIDを非表示/違反報告)
坪見 - 聖女任命式の⊂n君と95話の最後のζⅿさんが本当にかっこよくて好きです。更新お待ちしております。 (2023年3月17日 1時) (レス) @page8 id: 6aab2ccb93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸桜＋α
| 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2020年10月3日 9時
