66話 一歩、踏み出した貴方 ページ25
みんなが部屋や仕事にもどる中、シャオロン隊長だけがただじっと立っていた。
何となく、声をかけにくくて…
居心地が悪い。どうしようかと思っていると医務室の扉が開く…
また厄介なのが来たな。
「シャオちゃんいた〜…って、あ、Aちゃんもう大丈夫そうだね!」
「…あぁ、お陰様で」
応答が気に食わなかったのかギリッと睨まれるがなんとも思わない…キツく言うなら、レティはここにいる価値のない人間だから。
価値がないどころか、我々国にとって不利益な存在。
…夢から醒めて、生意気になったな私は。
…ここで慢心したら私の負けだ。そこは理解しておかないといけない。
「シャオちゃん、城下にお出かけ行かない?もうみんな暗くてレティどうしようかなって考えたの!それでね、私とお出かけすればみんな笑顔になってくれると思って!!……シャオちゃん聞いてるぅ?」
一方的にベラベラと話しているがシャオロン隊長は俯いたままだった。
…まぁ、私の事気にしてるのは丸わかりなんだけど。
「…Aちゃん、シャオちゃんに何したの?」
「私は何もしてませんが」
「嘘ね!シャオちゃんが私の話聞かない訳ないもん!やっぱりAちゃんが悪いヤツなのよ!みんな口に出さないだけで本当はアンタのこと邪魔って思ってるんだから!」
…焦ってんなぁ、偽の聖女様は。…そうだろうね、ストーリーがまるで違うんだもの。
どうして上手くいくと思ったのか、1度頭を覗いて見たいわ。…人が生きている世界は、いつ何が起きるか分からないものだろ?
「そうですか」
「…嫌われすぎて感情も無くなった…?可哀想」
「それはあんまりちゃうか」
シャオロン隊長が口を開く。まだ俯いたままだが握りしめられている拳は小刻みに震え、力が込められている。
彼が今、何を思ってるのか…私には分からないけど…怒っている事は確かかな。
「ホントだよね、シャオちゃんからも言ってやってよ!」
「お前に言ってんねん」
ニコニコとしていた笑みを醜い絶望の顔へと変え、口を閉じることができていないレティ。
「自分庇って倒れたやつに労りもお礼の言葉もしない上に、悪者とか邪魔とか根も葉もない事言いやがって…
少し自分の立場考えた方がええんちゃうか。ホンマ見損なったわ。こんな奴やと思わんかった。
信じた俺らが馬鹿やった」
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ポンコツ - めっちゃ面白くてどんどん読めました!マジ神作! (2021年5月15日 8時) (レス) id: 325f452e67 (このIDを非表示/違反報告)
隻狼姫(プロフ) - えっ、おすすめに出てきたから見てみたら面白くて一気読みしてたんですけど、まさかお気に入り登録してるtwst小説の作者さんだったとは…そりゃ面白いわけですわ… (2020年10月7日 21時) (レス) id: efc986c11a (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 次回が最終回…だと…!?うああああ……待ちきれないぃぃい…。むっちゃ楽しみです!! (2020年9月26日 0時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
kiito - あぁー最終章に突入してしまった〜!嬉しいけど寂しい(´;ω;`) (2020年9月21日 22時) (レス) id: 840ffe907d (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃ(プロフ) - レティまさか、、、味噌汁に*を、、!?だから夢主は*に関する本を教授のいる図書室から借りてキッチンで*を作ってから飲んで耐性を付けたんですか!!?(*←のところ合ってるか分かんない、、) (2020年9月16日 20時) (レス) id: c3d604437a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年6月6日 9時