44話 真相を ページ2
「…兄さん、簡潔に言うと今の我々国は破滅の道を辿ってる」
「…まじかぁ……」
「この、破滅の時のこと詳しく教えてくれないかな」
その日は兄さんに聖女のことについてたくさんのことを教えてもらった。時間はいつの間にか私が帰らないといけない時間になっていた。
「…兄さん、今日は本当にありがとう」
「……アイツらのこと任せたからな」
兄さんの言葉に頷き、馬車に乗り込んで急いで帰る。
手帳に走り書きしたものを見返す。
『破滅の聖女が現れる時
・預言者が現れる。
・真の聖女が必ずどこかで生きている』
…あの本が本当の事を記していたとするなら…レティは偽物の聖女って事になる。
私とて鈍くない…もうこれで全て分かった。でも…状況が分かったとしても、頭の理解は追いつかないものだった。
単純な事をそう簡単に受け入れられない。
色々と考えてしまっているうちにいつの間にか城に着いていた。
馬車を降り即行部屋に向かう。乱暴にドアを閉めて椅子に座り…先輩が来るまでもう一度メモを読み直していた。
突然、ダクトからヒョイっと顔を出した先輩。その後ろには疲れ気味のチーノの姿。
朝ぶりだ。
「お疲れA、どうやった?なんか分かったことあったん?」
「…そりゃもう大収穫ですよ」
チーノが慣れないように恐る恐るダクトから降りてくる。…今日1日先輩にくっついているように指示したからか、いつもよりゲッソリして見える。
「Aせんぱぁい…ゾムさんに守ってもらうのすっごいやなんですけどぉ…」
「おうお前ワガママ言ってんちゃうぞ。俺様に守ってもらえるなんてもっと喜んで感謝するべきだぜ?」
「…チーノ、慣れだよ」
…性格になんはあるかもしれないけど、強さは誰にも劣らないから。
先輩がいる限りはチーノが傷つく事(物理)はないと思う。
…とりあえずもう思考を放棄したかった。それが許されるはずも無いんだけどね。
先輩が私をベットに座らせて、兄さんのところに行って分かったことを聞いてきた。いや、情報量多すぎて無理。
「はよレティの事暴く為なんよ、頼むわ」
「分かったこと…簡潔に言うと、この城の図書室にある聖女記は偽物だったって事です」
偽物?と首を傾げている先輩の後ろで、
「…辿り着くの早すぎ……」
チーノが苦笑いしていた。
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ポンコツ - めっちゃ面白くてどんどん読めました!マジ神作! (2021年5月15日 8時) (レス) id: 325f452e67 (このIDを非表示/違反報告)
隻狼姫(プロフ) - えっ、おすすめに出てきたから見てみたら面白くて一気読みしてたんですけど、まさかお気に入り登録してるtwst小説の作者さんだったとは…そりゃ面白いわけですわ… (2020年10月7日 21時) (レス) id: efc986c11a (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 次回が最終回…だと…!?うああああ……待ちきれないぃぃい…。むっちゃ楽しみです!! (2020年9月26日 0時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
kiito - あぁー最終章に突入してしまった〜!嬉しいけど寂しい(´;ω;`) (2020年9月21日 22時) (レス) id: 840ffe907d (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃ(プロフ) - レティまさか、、、味噌汁に*を、、!?だから夢主は*に関する本を教授のいる図書室から借りてキッチンで*を作ってから飲んで耐性を付けたんですか!!?(*←のところ合ってるか分かんない、、) (2020年9月16日 20時) (レス) id: c3d604437a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年6月6日 9時