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頂いた芋焼酎は冷蔵庫に。私はチューハイの気分だったのだから。缶を一つ、目の前の彼に押し付ける。安いツマミを机に広げた。

「あの、グラスは無いのでしょうか?」
「此れが日本流の宅飲みなの!郷に入っては郷に従え!」

フョードルは缶をじっと見詰める。私は缶のプルタブを引き、蓋を開ける。プシュッ、と炭酸特有の軽いガス音が響く。飲み口に口をつけ、勢い良く飲み下す。

「ぷっはぁーっ!!!!美味い!!」
「……直に口を付けろと……肴も随分手頃なものばかりですね。しかもオヤジですか、貴方は」
「一応言っとくけど、此処は私の家な?嫌なら帰れ?」

無理矢理に上がり込んでおきながら、文句ばかり垂れる莫迦野郎。外国人なのは知っていたが、流石に此処まで来ると腹が立って仕方が無い。
溜息を吐いたフョードルが缶を見つめる。溜息吐きたいのは私だコンチクショウ。

私がグイグイと缶の中身を消費していると、彼が缶を私に差し出した。

「何?」
「開け方がわかりません」
「はぁ!?」
「開けてください」

外国には缶がないのか?そう思いながら、目の前で笑顔を浮かべる男を見詰める。……何を考えているか、やはりわからなかった。

だが、引き下がる様子はないので、仕方なく受け取り開けてやる。
炭酸が抜ける音が部屋に谺した。

「はい、開けたよ」
「有難う御座います」

缶を受け取ったフョードルが、私に習ってグイッと缶の中身を煽る。上げた顔を正位置に戻して、口を離す。少し苦しげに眉間に皺を寄せた後。

「がふっ……」
「あははははっ!炭酸慣れしてないの、アンタ!」

咳き込みと似たような声が漏れる。口元を押さえるその姿に爆笑する私。フョードルは頬を染めて視線を逸らした。

「普段は洋酒を嗜んでいますからね……この様な物は初めての経験ですよ……」
「あんなの買ってくるんなら、自分の酒買えばいいでしょ」
「ああ、確かに」

まるで今、やっと思考が追いついたという表情だ。何だかこう見ていると、何だか可愛らしい奴に見えてきた。特定は怖いけど。
さきいかを摘んで、缶を煽る。そんな事をしているうちに、ふわふわと機嫌が浮いてくる。

「あー、堪らん……好き」
「ぼくの事がですか?」
「そんな事を誰が何時言った」

余りに突飛な言葉にツッコミを入れざるを得ない。外国人って話が通じないの?
目の前の男は至極不思議そうに首を傾げた。

「好きって言ったでしょう」
「酒が好きね!!お前じゃねーよ!」

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いちご(プロフ) - ミラから来たぞおおおぉ! に、しても評価凄いですね!Σ(゚ロ゚;) (2020年6月21日 14時) (レス) id: 3cbabf2902 (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - 道化さん» 全然OKです。後見させてもらいました、兎に角好き(語彙力Maxです。 (2019年8月4日 17時) (レス) id: 7dc88695a1 (このIDを非表示/違反報告)
道化(プロフ) - 書かせて頂きました!お仕事疲れとの事なので、ちょっと絡めたお話を。ゴーゴリ「頑張った子には、ご褒美がいるよね!私は分かっているのさ!」 (2019年8月2日 18時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
道化(プロフ) - モフ子さん» 了解しました!リクエスト内容は、シリーズ最新作の「恋は下心」の方に投稿させて頂きますが、大丈夫でしょうか? (2019年8月2日 18時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - リクエストしても宜しいでしょうか?天人五衰のゴーゴリ君っていいですか?シチュエーションは何でも構わないのでお願いします!仕事帰りに癒されたい!どうか私の我儘を聞いて下され (2019年8月2日 11時) (レス) id: 7dc88695a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:jazz | 作成日時:2019年4月26日 19時

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