続き ページ29
細かく話をされた。俺は、落ちこぼれって言われる理由と、13が不吉だって理由を知った。んで、仲間の天使達をぶっ殺したくなった。
｢ひでえ話だな｣
｢まるで貴方みたい。13番目で落ちこぼれ。裏切ったら、もうユダになっちゃうよ？｣
女はケラケラ笑う。だが、ひとしきりケラケラ笑った後、フッと目を伏せた。笑顔のままなはずなのに、何故か切なく見えた事を覚えている。
｢……私も、同じようなものか……｣
｢なんだよ、お前もなんかあんのか？｣
女は、ぽつりぽつりと話し始めた。愛がわからないこと、感情の出し方を忘れた事、いつの間にか笑う事しか出来なくなったこと。
そして、最後に、人を信じられない事。
｢天使様なら、その答えを知ってるの？私は人を愛せるのかな？信じられるのかな？皆は私を愛してくれているはずなのに、私はその実感がわかないの｣
女は、笑ったままだった。なんか、俺の方が悲しくなっちまって、ただただ抱きしめた。
｢天使様？｣
｢そんなもん、俺はわかんねえよ。落ちこぼれだからな｣
女は、大人しくしていた。しばらくして、首が縦に動く。
｢そっか、そうだよね……自分で、見つけなきゃかな……｣
｢いいんじゃねえの？見つけなくてもよ｣
そう言うと、女は顔を上げて俺を見つめた。俺も女の目を見て、最初で最後の、天使らしい言葉を言った。
｢愛なんざ、俺にはわかんねえし。でも、無理して愛したふりなんざ、それこそ罰当たりだぜ、嬢ちゃん？｣
夕焼けの赤が、青に変わり始めていた。体を離し、俺達は言葉もなく別れた。
次の日から、俺とアイツはよく話すようになった。どうでもいい事、実は今の自分をやっているのは疲れること、俺はまた落ちこぼれ扱いされた事。
俺は、その中で、わかった事がある。一つは、女の名前。もうひとつは、この女は、愛を知らねえんじゃねぇ事。誰にでも愛を注げる優しいやつだ。聖女。その言葉が似合う様な人間だった。
俺達は、なんでもないようで、少し変わった日が、続くと思ってた。けど、上はどうやら気に食わねぇみたいだった。
｢13番、お上が怒ってるよ｣
｢博愛の聖女にこれ以上近づくなってさー｣
｢あ？知るか｣
｢聖女に恋をしたのはわかるけどさー……ジャンヌ・ダルクは知ってるよな？魔女裁判の業火に焼かれた英雄の聖女。そうなるから、もうやめろってさー｣
ケラケラと笑う同僚共を背に、俺はこの時に堕天を決意した。
好きな女が、人間だったら、何がいけねえんだよ。
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jazz(プロフ) - デラックスお餅さん» 純粋な感想ありがとうございます！何かネタが降ってきたら書けるんですがね……（笑）「コメント アリガトウゴザイマス。コレカラモ ヨロシクオネガイ シマス」 (2019年1月26日 22時) (
レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
デラックスお餅 - 面白い！次回に期待... (2019年1月26日 20時) (レス) id: 38e0588fa2 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - まっちゃむーしゅさん» ありがとうございます！13は絶対お酒好きだろと思いましてつい← ｢コメント アリガトウ ゴザイマス。アノ二人 ニハ テヲ ヤイテ イマスガ……イワレタ 本人達ハ トテモ喜ンデ イマスヨ｣ (2018年12月22日 20時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃむーしゅ(プロフ) - お酒で直ぐにつられるサティとビッチちゃんがかわええ (2018年12月22日 20時) (レス) id: ea9a3f21f7 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - ゲスミンさん» ｢ワタシニ コウイヲ ムケラレマシタカ？ムダガ スキナ ニンゲンラシイ コウドウ デスネ。コレカラモ カンサツ ヲ ツヅケテイキマス｣ご愛読、またご感想、ありがとうございます。 (2018年12月10日 12時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jazz | 作成日時：2018年11月30日 19時
