続き ページ28
信じられないとでも言いたげに目を丸くした女。俺は、ゲラゲラ笑ってやった。
｢信じられねえよな？当然だ。天使様がこんなとこいるわけねえもんな｣
｢まず、実在してたの？｣
｢んじゃあ、お前の目の前にいるこの俺は何だってんだ｣
ふんっ、と鼻で笑ってやる。アイツは顎のあたりに手を当てると、少し黙った。俺は、こいつがなんて言うか、楽しみでしょうがなかった。
だが、聞いてきたのは、よくわからねえ事だった。
｢貴方、名前は？｣
ボクちゃん驚いちまったよ。
普通なら、｢天国行きですか？地獄行きですか？｣とかよ、｢今から私は死ぬんですか？｣とかよ……そんな事聞くだろ？
けどよ、この女は、俺に名前を聞いてきたんだ。驚きもするよな？
目ぇ見張ったまんま、ありのままを答えてやった。
｢そんなもんねえよ。けど、識別番号とあだ名はあるぜ｣
｢へえ。何番で、どんなあだ名？｣
俺は正直、自分のあだ名が嫌いだった。んで、番号を呼ぶ奴らも、なんか侮辱してるみてぇで気に食わなかった。少し渋りはしたが、コイツには言っても問題ねえかと口を割った。
｢あー……13番、落ちこぼれとか言われてんな｣
｢へえ、まるでユダみたい｣
ユダ？俺は知らない単語に直面して、アホ面晒してただろうな。女はそんな俺の表情に、目を見開いた。
｢貴方……天使なんでしょ？｣
｢そうよー。ボクちゃん天使様だぜ｣
｢聖典を知らないの？イエス・キリストの話は？｣
コイツの話を聞いて、納得した。あのクソつまんねえ講義の内容か……
｢聞いたかも知んねえけど、俺寝てたわ｣
｢寝てたの！？｣
俺が真剣に悩んでるっつーのに、目の前のこいつはコロコロと笑い出した。それこそ、鈴が鳴るみたいな声でな。腹抱えて笑ってんだ。
｢なんだよ、天使様にもそういう奴はいるぜ？｣
｢そうだね、そうなんだ、ふふ、面白い。じゃあ、教えてあげる。ユダの話を。ねえ、天使様、隣に座って？立ち話じゃあ疲れるでしょ？｣
コイツは、俺に向かって手招きすると、自分も河原の草むら部分に座り込んだ。誘われたからには仕方がねえ。俺も隣に座って、話を聞いてやることにした。
｢んで、そのユダってなんだよ｣
｢イエス・キリストの、13番目の弟子の事。イエス・キリスト様に救われた弟子の一人。だけど、あんまりいい人じゃなかったみたい。国がイエス・キリストを処刑するって懸賞金をかけたら、国にイエス・キリストを売っちゃうの。あの人はどこそこにいますーって｣
続き→←昔話をしようじゃねーの(13)※完璧な捏造話です。苦手な方は飛ばしてください。
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jazz(プロフ) - デラックスお餅さん» 純粋な感想ありがとうございます！何かネタが降ってきたら書けるんですがね……（笑）「コメント アリガトウゴザイマス。コレカラモ ヨロシクオネガイ シマス」 (2019年1月26日 22時) (
レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
デラックスお餅 - 面白い！次回に期待... (2019年1月26日 20時) (レス) id: 38e0588fa2 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - まっちゃむーしゅさん» ありがとうございます！13は絶対お酒好きだろと思いましてつい← ｢コメント アリガトウ ゴザイマス。アノ二人 ニハ テヲ ヤイテ イマスガ……イワレタ 本人達ハ トテモ喜ンデ イマスヨ｣ (2018年12月22日 20時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃむーしゅ(プロフ) - お酒で直ぐにつられるサティとビッチちゃんがかわええ (2018年12月22日 20時) (レス) id: ea9a3f21f7 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - ゲスミンさん» ｢ワタシニ コウイヲ ムケラレマシタカ？ムダガ スキナ ニンゲンラシイ コウドウ デスネ。コレカラモ カンサツ ヲ ツヅケテイキマス｣ご愛読、またご感想、ありがとうございます。 (2018年12月10日 12時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jazz | 作成日時：2018年11月30日 19時
