続き ページ22
コーラと炭酸を片手に、グスタフの部屋の前に来た。軽めにノックをすると、｢入ってこい｣との声が聞こえた。ドアを開け、真っ先にテーブルに近づく。
｢よく来たな。約束の酒だ｣
｢どーも｣
いつもの装備を付けていない、新鮮な姿のグスタフ。彼は、私の正面にドス、と重く腰掛けた。私は、いつものチェシャ猫の様な笑みを浮かべて、適当に酒と割り材を混ぜ始める。
｢なんだ、いやに少ない量だな｣
｢酒は好きだけど、下戸なんだよ。悪かったね｣
出来上がったものをちびちびと飲み始める。かく言う真正面の男は、ストレートでがぶ呑みしているが。
｢よく酔わないね？｣
｢酒は強い方だからな。なんだ、やってみるか？｣
差し出されたグラス。苦笑いを浮かべながら、首を横に振った。グスタフが今日初めて不快な表情を浮かべた。
｢面白くないな｣
｢無理な飲みはしない主義なの｣
ちびちびと自分の酒を口に運ぶ。やがて、互いに酔いが回り始める。だが、私は警戒の為にあまり口を割らなかった。何を聞かれるか、わかったものじゃない。
｢いいな、気持ちがいい｣
｢酒は、ここからが本番でしょ｣
｢グラス一杯も飲めていないやつが言うことか？｣
ゲラゲラと笑うグスタフ。私は、ジッと観察するように、話を合わせていた。だが……やはり本題は別にあったらしい。ひとしきり笑うと、グスタフはこちらを見据えて声を出した。
｢おいA、忠臣に何を言われた｣
｢やっぱり本題はそこ？……言わないよ。弱みをさらけ出すほど馬鹿じゃない｣
グッと最後の一口を飲み干し、グラスをテーブルに置いて立ち上がる。グスタフは、目を丸くしてこちらを見つめていた。
｢おい、まだ終わってないだろう？｣
｢興が醒めた。お酒は美味しかったよ｣
｢そんなに嫌だったのか？｢偽物の愛｣呼ばわりが｣
踵を返し、後ろのグスタフを睨みつける。彼は、余程私を怒らせたいらしい。
｢知ってんじゃん。私の本当に嫌な言葉だから。んじゃあね｣
｢まあ待て。なんなら俺も相手になるぞ？本物だとか偽物だとか、俺にはどうでもいい｣
背後の彼に向き直る。テーブルに手を付き、距離を詰めた。互いの距離は近すぎる程に。
グスタフは、私の頬に手を添える。私は彼の目を見据える。
｢責めないんだ？｣
｢責めて何になると言うんだ？｣
｢物分りいいね。気が変わった。今夜は？｣
｢空けておいたぞ｣
互いに口角を上げ、どちらからともなくキスをした。さぁ、夜のパーティーは長い。楽しみましょう。
悪夢に目を閉じて(ポロロッチョ)→←酒で釣られるビッチちゃん(グスタフ)
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jazz(プロフ) - デラックスお餅さん» 純粋な感想ありがとうございます！何かネタが降ってきたら書けるんですがね……（笑）「コメント アリガトウゴザイマス。コレカラモ ヨロシクオネガイ シマス」 (2019年1月26日 22時) (
レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
デラックスお餅 - 面白い！次回に期待... (2019年1月26日 20時) (レス) id: 38e0588fa2 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - まっちゃむーしゅさん» ありがとうございます！13は絶対お酒好きだろと思いましてつい← ｢コメント アリガトウ ゴザイマス。アノ二人 ニハ テヲ ヤイテ イマスガ……イワレタ 本人達ハ トテモ喜ンデ イマスヨ｣ (2018年12月22日 20時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃむーしゅ(プロフ) - お酒で直ぐにつられるサティとビッチちゃんがかわええ (2018年12月22日 20時) (レス) id: ea9a3f21f7 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - ゲスミンさん» ｢ワタシニ コウイヲ ムケラレマシタカ？ムダガ スキナ ニンゲンラシイ コウドウ デスネ。コレカラモ カンサツ ヲ ツヅケテイキマス｣ご愛読、またご感想、ありがとうございます。 (2018年12月10日 12時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jazz | 作成日時：2018年11月30日 19時
