酒で釣られるビッチちゃん(グスタフ) ページ21
コツコツ。ローヒールを鳴らし、自室に戻る最中。いきなり肩を掴まれる。体の中に痛みがじわりと広がるこの感覚……
｢やあ、グスタフ。苦しいから離してくんない？｣
｢すまんなA。だが、お前を呼び止めるにはこれが一番だろう？｣
首だけで振り返り、見上げる。彼は目を細めて手を離した。すぐ様カードで回復し、向き直る。
｢痛いから、ホント。毒流すのやめて｣
｢勝手に流れ出るだけだ。俺のせいじゃない｣
忠臣と同盟を組んでるので、睨みあげながら接する。だが、この男には響かないらしい。相変わらず、好奇の目でこちらを見つめる。今日は早めに帰りたかった事もあり、私から口を開いた。
｢で？用事は何？｣
｢そう焦んな。いや何、忠臣が興味を持った女がどんな奴か気になってな｣
｢私はアイツ、嫌いだよ｣
つい、と顔をそむける私。それを見て、クツクツと喉で笑い始めたグスタフ。その所作に耐えきれず、思わず舌打ちをしてしまった。
｢機嫌を損ねたか？悪かったな。お前が嫌いでも、忠臣はお前に好意があるらしいぞ｣
｢知るか。あんな、人を小馬鹿にする奴｣
一方的に嫌ってるのは、言われずとも分かっている。だが、前に抱かれた際のアレが尾を引いているのだ。最近は、1人の夜にはうなされるほどに。
グスタフはと言えば、上機嫌と見える。目元が細いままだ。口元はマスクで見えないが。
｢お前も災難だったな。忠臣の奴、お前が弱みで落ちる人間じゃないと知った途端、余計に執着し始めているぞ｣
嫌なことを聞いた。眉間に皺が寄る。グスタフは、どうやら私を怒らせて楽しんでいるらしい。嫌な奴らが同盟を組んだものだ。ため息が漏れた。
｢サイッテー、って伝えておいて。それじゃあね｣
｢まあ待て。この会話で、俺もお前に興味が出てきた。一緒に酒でもどうだ？｣
酒、と出てきて、ピクリと反応する。パーティージャンキーでもある私は、大の酒好きでもあるのだ。グスタフを睨み上げ、口元を三日月のように歪める私。
｢どこで飲むのさ｣
｢俺の部屋じゃ不満か？｣
｢種類は？｣
｢ウォッカとウイスキーがある｣
｢コーラで割りたい｣
｢良いだろう、持参してこい｣
一瞬間の沈黙。互いにニヤリと笑う。次の瞬間、グイッと彼の襟をつかみ、引き寄せる。
｢乗った。今夜は男と女だ。私情関係なく、ね｣
顔を耳元に近づけ囁いた。ぱっと手を離し、自室への道を辿る。振り向かずに、ひらひらと手を振りながら。
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jazz(プロフ) - デラックスお餅さん» 純粋な感想ありがとうございます！何かネタが降ってきたら書けるんですがね……（笑）「コメント アリガトウゴザイマス。コレカラモ ヨロシクオネガイ シマス」 (2019年1月26日 22時) (
レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
デラックスお餅 - 面白い！次回に期待... (2019年1月26日 20時) (レス) id: 38e0588fa2 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - まっちゃむーしゅさん» ありがとうございます！13は絶対お酒好きだろと思いましてつい← ｢コメント アリガトウ ゴザイマス。アノ二人 ニハ テヲ ヤイテ イマスガ……イワレタ 本人達ハ トテモ喜ンデ イマスヨ｣ (2018年12月22日 20時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃむーしゅ(プロフ) - お酒で直ぐにつられるサティとビッチちゃんがかわええ (2018年12月22日 20時) (レス) id: ea9a3f21f7 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - ゲスミンさん» ｢ワタシニ コウイヲ ムケラレマシタカ？ムダガ スキナ ニンゲンラシイ コウドウ デスネ。コレカラモ カンサツ ヲ ツヅケテイキマス｣ご愛読、またご感想、ありがとうございます。 (2018年12月10日 12時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jazz | 作成日時：2018年11月30日 19時
