【ぷよぷよ】大罪の黒魔道士 (ページ15)

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散歩とカーバンクルページ15

｢ふぁあ……良い天気だなぁ……｣

研究に集中する為、サタンの城の地下にある部屋にこもっていたAと魔物。｢研究も終わったし、このままじゃいけない｣とAが言い出し、太陽の下である外に出て、散歩をしていた。

｢何故、私まで行かなければならないのか……｣
｢良いじゃないか。デートだよ、デート｣

読書を邪魔され不満を零す魔物と、彼を宥めながら進むA。そんな彼女が吐く冗談めかした言葉は、少しばかり……いや、少しどころではなく恋人の様な台詞である。本人は無自覚であるのだが。

｢何が『デート』だ。私達は恋人ではないだろう｣
｢そりゃまあ、そうだけどさ。研究材料も切れちゃったし、ちょうどいいタイミングだと思うけどなぁ……お、アレはなんだろう？｣

彼女が冗談で言っていることをわかっている魔物は、眉間にシワを寄せながら反論。それに、苦笑いをしながら返すA。だが、彼女は興味深い物を見つけたのか、すぐ様どこかへ走っていってしまう。

｢全く、お前は人を振り回してばかりだな。少しは人の話を…………A？｣

魔物が気付いた時には、既にAは何処かへと行ってしまった後。彼は、主人の姿を見失ってしまった事で、目を見開きキョロキョロと辺りを見回す。

｢……あいつはどこへ行ったのだ……｣

魔物は、自分の感覚を頼りに主人であり、好意を寄せる相手である彼女を探し始めたのだった。

魔物が探し始めたのと同刻のこと。その探されているAはと言うと……

｢ぐっぐぐー!!｣
｢資料でしか見た事無かったけれど……カーバンクルって存在したんだ……｣

少し離れた場所で、黄色い生物をまじまじと観察していた。研究者のサガと言うべきか、やはり興味を示したものに関しては知りたくなったのだ。黄色い生物……カーバンクルはAの漆黒の瞳を、不思議そうに見つめ返していた。

｢つかぬ事を伺うけれど、君は誰かの使い魔なのかい？｣
｢ぐー!!｣
｢……意思疎通が出来ないな……｣
｢ぐー?ぐぐー……ぐ!!｣

困り果てていた所で、カーバンクルがそばにあったぷよを手で示した。初めはよくわからなかったが、ぷよを見た時にピンと来たA。ニヤリ、と妖しく口を歪めて自身の予測で予測を立てた。

｢ぷよ勝負かい？｣
｢ぐー!!｣
｢ふふっ、良いよ。言っておくけれど、私は強いからね｣

互いに意思の疎通を確認した所で、距離をとる。

｢ぐっぐぐー!!｣
｢相手になるの？｣

一人と一匹のぷよ勝負が始まった。