【d！】通常運行の異常行動。【呪鬼2】 (ページ10)

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Angel ページ10

「す…素晴らしい歌でしたね！拍手！」

ハッとしたように教師が声をかけまばらな拍手が聞こえてくる。
そんなものどうだっていい、先生に近づいて抱きつく。
私が歌が上手いのは知ってるから。

『…上手でしたか？』

「ん。美味かったぞ〜」

先生に頭を撫でられ、髪をぐしゃぐしゃにされる。

『…じゃ、歌い終わったんで教室戻ります』

「え！？七海さん！？」

後ろから聞こえる声を無視して教室に歩いていく。
ロボロから物凄く睨まれたけど私に挑んだあっちが悪い。
ふと今日の月が気になり、スマホで月を確認する。

『三日月…』

今日は学校に残ってたら怒られる。
月に1回の三日月の日だけ私は夜に外に出れない。
いつも放課後は宿直をしてる先生と一緒に居るけど、今日だけは帰らないといけない。

『…元気かな』

もはや狂気とも言えるレベルの愛情を持った人達のことを思い出して少し顔が歪む。
先生と友人だったのが何よりの救いだけど。
スマホをポケットに戻してまた歩き出す。
窓の外からは夕日が覗いていて、私の影を地面に映していた。

『…夕日はいいね、人気者で』

だれにも見つからないうちに早足で教室に戻った。