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Angel ページ6

給食より苦痛な時間はないと思う。
ただ不味くも美味しくもないものを食べるだけ。
残したいけど、全部食べたら先生が褒めてくれるから嫌いなものも頑張って食べる。
教卓を見上げると先生が給食を口に運んでいて…食べてる姿も、様になるなぁなんて考えたり。


『…ご馳走様でした』


ぽつりと言葉を零して、食器を持って立ち上がる。


「七海もう食べ終わったのか〜?」

『…はい』

「ちゃんと全部食べてるな。偉い偉い」

『…図書室に行くのでそろそろいいですか?』

「ん。いってらっしゃい」


頭を撫でられると同時に集まる視線から逃げるように、教室を出ていった。
図書室は、私の唯一心の休まるところと言っても過言では無い。


『…失礼します』


早く給食を食べたからか誰も居ない図書室。
委員会の生徒も教師も居ないから静かで落ち着く。
適当に本を探して、図書室の奥へ
奥へと進んでいく。


『…あ、これ………』


一冊の本に目を奪われ思わず手に取った時、誰かが図書室に入ってきた。
騒がしいのは嫌いだから早めに去ろうと本をまた探し始める。
図書室に響く足音は迷うことなく一直線に進んでくる。
まるで何かを探しているように。
嫌な予感を察知し今持ってる本だけでも借りようとカウンターに歩き出した時、左腕を誰かに掴まれた。
後ろを振り向くと、目線の少し下に見慣れた男の子。


『…ロボロ、何の用』


私の大嫌いな人が居た。
なるべく表情を変えずに対応すると、俯くロボロ。


『用ないなら行っていい?』

「………」

『…じゃあ、私もう行くから』


手を振り払ってカウンターに行こうとすると、再び手を掴まれた。


「…なぁ、体育倉庫で何やってたん?」

Angel→←Angel໒꒱



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作者名:狐の巫女 | 作者ホームページ:青の薔薇と紫の薔薇  
作成日時:2022年12月19日 0時

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