7-1【動乱篇アレンジ】 ページ37
『え、妖刀の処理?』
「えぇ、どうもその近くの鍛冶屋に妖刀があるらしいんです。処理が難しいのなら、ひとまず回収だけでも構わないと
『はぁ……まぁいいけど』
「あ、それから、今度の帰省のことなんですけど」
ブチッ
ツーツーツー
『……めんどくさっ』
妖刀の気配は、いつも使う鍛冶屋からだとすぐにわかった。
それほど力が大きいということなのだろう。
面倒くさいが、一先ず回収だけでも先にしなくては。
いつものように鍛冶屋に入ると、そこには鍛冶屋の親父と、土方さんがいた。
「刀の手入れか?」
『いえ、1つ聞きたいことがあって。あの、ここって妖刀とか、そういう曰く付きの刀ってあります?』
「妖刀?なんでまた……あぁ、だが妖刀なら、そこの旦那が持ってるやつがそれだぜ」
振り返ると、土方さんが不思議そうに刀を見つめている。
目の前にあったのなら話が早い、さっさとあの妖刀を回収してしまおう。
と、土方さんに声をかけようとしたその時。
「親父、しばらくこれ代わりの刀にしていいか?」
『ダメです!』
「あ?」
あ。
条件反射で思わず叫んでしまった。
土方さんはニヤッと笑って私の頭を小突く。
「んだよ、テメェもこの刀が使いてーのか?ガキが一丁前にませてんじゃねーよ。なぁに、刀の手入れが終わりゃテメェにも貸してやるさ」
『い、いやそういうことじゃなくて』
「やめとけお前ら。その刀は恐ろしく切れるのは間違いねぇが、ちと曰く付き。呪われてるってことだ」
「呪い?ったく冗談も休み休みにしてもらいたいぜ。じゃ、刀の手入れよろしく頼むぜ。親父」
『あ、ちょっと!副長ー!』
私の声も虚しく、副長はさっさと鍛冶屋を出て屯所へと歩き出す。
慌てて後を追いながら、私は再び説得を試みた。
『そ、それ今貸してほしいんです!大丈夫です、すぐ返しますから。ねぇ副長ー!』
「うるせぇなさっきから。たった2、3日の辛抱だろーが」
『2、3日も待てないんですよー!ねぇねぇー!』
「真選組副長、土方十四郎とお見受けする」
間の悪いことに、こんなところで攘夷浪士10人と立ち会うことになった。
「ちょうどいい、試し切りといこうじゃねぇか」
『え、まさかその刀でやるつもりですか!?』
「妖刀だかなんだか知らねぇが、刀の力を見せてもらおうじゃねぇか。Aは下がってな」
そう言って土方さんは鯉口を切り、攘夷浪士達に切りかかって____
いかなかった。
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作者名:おさくら | 作成日時:2020年5月7日 0時