花と華【銀魂】 (ページ36)

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先の戦闘で水浸しになった利点として、敵の天人も、自分たちが苦手とする水を被った人間と堂々と戦うのは嫌だったのだろう。
戦闘において腰がひけるやつが多く、これ以降のタービン室までの戦闘は、それほど苦労せずに進むことができた。

タービン室にたどり着き、ドアを蹴破ると、そこにはふてぶてしく座ったボスらしき天人が1人立っていた。

「ふん、よくぞここまで来たな。幕府の犬どもよ、だがここまでだ。この地球は我々暖暖族の＿＿＿＿」

ドガァァァン！！

天人の言葉を聞かず、総悟隊長が爆弾を投げる。
さっきまで高説垂れていた天人の位置には、黒煙と炎が舞い上がっている。

『……汚ぇ花火だ』

「おい聞けぇぇぇぇ！！ボスである私のセリフの時に攻撃はダメだろ！最後まで聞けよ！」

「いやもうあっついんだよここ。さっきまでも暑かったのにここはさらに暑いんだよ。だからさっさと終わらせてーんだよこっちは」

「……土方さん、おかしくねーですか。ここ、スプリンクラーが作動しやせん」

総悟隊長の言葉に、天人は、まるでその言葉を待っていたと言わんばかりに、高らかに笑いだした。

「ハハハハハ！！幕府の犬どもの作戦など、読めておるに決まってるだろう！さぁ、これで貴様らはいよいよ手も足も＿＿＿＿」

ガチャ。

天人の言葉は、またも途中で遮られ、私の手錠にかかった天人は金魚のように口をパクパクさせていた。

「スプリンクラーが作動しねぇなら、実力行使に移るだけでさァ」
『ま、このお江戸じゃ裁かれるか怪しいですけどね』

数日後。

『はぁぁぁぁぁ……涼しい……』

一連の事件の犯人である天人は、裁かれるくらいならと地球から逃げ出し、あれだけ暑かった外は、すっかりいつもの夏の気温に戻った。
そんなことがあったからか、真選組でもいつも通りクーラーを使うことが許され、そして今に至る。

『クーラーはいいねぇ。リリンが生みだした、文化の極みだね』

夏といえばクーラー。クーラーといえば夏。
クーラーがあるからこそ、夏の暑さもより輝けるのだ。
まぁこれ書いてんの5月なんだけど。