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『ぐっ!!』
天人の攻撃を間一髪で交わし、タクシーの扉を開けて、2人を外に投げ飛ばす。
外に出ようとして天人に腕を掴まれたが、腕にかみつき、離れた瞬間に外に飛び出した。
タクシーは電柱に勢いよくぶつかり、大破炎上。が、天人はやはりというべきか、平然とそこから降りてきた。
『チッ……』
さすがに暑がりの天人には、この程度屁でもないらしい。
総悟隊長と副長は、この暑さですっかりダウンしてしまっている。かく言う私も、かなり視界がぼやけ、いつ倒れてもおかしくない
応援を呼んでも私がそれまでの時間稼ぎが出来るとは思えないし、恐らく場所を正確に教えることもままならないだろう。
などと考えていると、いつの間にか天人が目の前に来ていた。
『あッ____!』
天人の攻撃をモロにくらい、ゴミ捨て場に投げ飛ばされる。
既に暑さでかなり体力を持っていかれてる今、為す術ない状態で、次の攻撃もくらってしまった。
『ッ…………!』
天人はまだ、土方さんと総悟隊長には手を出していない。が、私が倒れれば天人は2人にも手を出すだろう。
体力が尽きる前に、何とか策を打たねば。
しかし、向こうはそれを考える隙も与えてくれない。
「ギャハハハハ!!」
『ぐぁっ……!あっつい!!』
またも天人に投げ飛ばされ、マンホールの真上に叩きつけられる。
マンホールは太陽の熱を吸い、とんでもない熱さとなっていた。隊服の上着を脱いでたら確実に火傷行きだった。
______マンホール……?
天人が、トドメを刺そうと私の真上から落下してくる。
直前でマンホールの真上から横に移動すると、天人はそのままマンホールの蓋を突き破り、下水道の方へ落下していった。
「ギャアアアア!!寒い!冷たいぃぃ!」
下水の中でもがく天人を見て確信する。
やっぱり、コイツら冷たいものに弱いんだ。
倒れてる2人を引きずり、マンホールの中に入る。
下水の中で、天人は相変わらずもがいていた。
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作者名:おさくら | 作成日時:2020年5月7日 0時