検索窓
今日:10 hit、昨日:15 hit、合計:30,370 hit

6-1【オリジナル】 ページ29

「こんにちはー、お天気の時間でーす。今日は全国的にとんでもない猛暑日になりまーす。熱中症には気をつけてくださいねー」

猛暑のせいかおめざめテレビの天気予報が、外ではなくスタジオになっている。
猛暑のせいか誰も家から出ず、クーラーの効いた部屋に籠っている。
猛暑のせいか私も何かする気が起きず、床に突っ伏している。


『あっっっっっづい……』

クーラーが、つけられない。
つかないのではない、つけられないのだ。
今年、地球温暖化だの、地球が危ないだのとかいうせいで、記録的な猛暑となり、私達地球人は節電を余儀なくされた。
しかし市民に節電なんぞ訴えても、この猛暑で節電をすれば、地球が危なくなる前に自分の命が危なくなる。
で、そうなった場合どこにしわ寄せが行くかと言うと。


市民を守る象徴の真選組だ。
いやふざけるな。私たちは象徴ではなくて人間なのだ。こんな我慢大会に放り込まれれば市民を守るも何もあったもんじゃない。

……考えたらまた暑くなってきた。
食堂に行けば少しは涼しいかな……。


食堂には私と同じ考えの人間が大勢いたようだ。
節電を義務付けられた真選組の中でも、食堂だけは食事が腐らないようにと、クーラーをつけることが許されている。
そんなオアシスにみんなが行かない理由はなく、食堂には人が集中していた。


『涼しい……』
ひんやりとしたテーブルに顔を突っ伏す。
天国だ、ここは間違いなく天国だ。決めた、私はここに永住しよう。
そんな誓いを固めた矢先、頭の上から嫌な言葉が聞こえた。

「おい、今日は1番隊見回りだろ。何してる」

『…………はい』


行くぞ、という土方さんの言葉に、しぶしぶと立ち上がり、私は食堂を後にする。
嗚呼、さようなら私のオアシス。

6-2→←5-10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
25人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 真選組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おさくら | 作成日時:2020年5月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。