花と華【銀魂】 (ページ11)

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「チャイナ娘！A！降りてこい！」

下から土方さんの怒号が聞こえる。土方さんだけじゃない、沖田隊長と近藤さん、他の隊士たちのやり取りも聞こえた。

『真選組大集合かー……今のうちに遺書とハラキリ準備しといた方がいいよ神楽ちゃん』
「マジか。私明日の昼ドラ最終回見るまでは死ねないアル」
『大丈夫、獄中にもテレビあるからそこで見れる』

かぶき町を逃げ回り、囲まれた私たちは屋根から屋根への逃走に切り替え、ビルの屋上に逃げ込むことになった。
当然下からは見え見えの逃走だったので、下は既に真選組のパトカーと隊士が取り囲んでいる。

普段なら強硬手段を取る真選組も、将軍の妹様がいる手前、下手なことは出来ない。
私たちは、そよ様を人質にした立てこもり犯そのものだ。

「……ごめんなさい。私のせいでこんなことに」

「そよちゃんのせいじゃないヨ」

『そーですよ。私たちが勝手にしたことです』

「……Aさん。私を警察の元へ連れていってください」

『えっ』

「女王さん、Aさん。ありがとうございました。たった半日だけだったけど……普通の女の子みたいで楽しかった。それじゃ……」
「待つネ！ズルいヨ！自分から約束して勝手に破るアルか！？」

神楽ちゃんの叫び声に下に戻ろうとしたそよ様の足が止まる。

「そうです。私ずるいんです。だから、2人にもう1つ約束させてください」

そよ様は振り向くと私と神楽ちゃんの顔を見て言った。

「1日だけって言ったけど、ずっと友達でいてね」