16コール目 ページ17
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月曜日。
結局学校に行く気にはなれず、かといってズル休みをする勇気も無く、登校時間ギリギリに教室に入る。
隣の席には、予定通り合宿を終えたのであろう侑くんが座っていた。
「おはようさん。今日は遅いやん」
「おはよ。なんか気分が乗らなくて……」
珍しく挨拶をしてきた彼に、欠伸をしながら返事をする。
好きな人と付き合えて、こんなにもテンションの低い女の子がこの世にいるだろうか、と思いながらカバンから筆箱やらノートやらを取り出す。
「へぇ、北さんと付き合えたんに？」
「は！？」
バッと侑くんの方を見れば、にやにやしながら頬ずえをついていた。
なんで、それを……？
「待って待って、いつ誰に聞いたの」
「誰って北さん本人からやけど。合宿の夜、俺彼女できたからって」
北さんがそんなことを言うタイプだと思っていなかったので、目を丸くした。
「北さんって、そういうの黙ってるタイプかと思ってた……」
「そりゃあ北さんかて、好きな子が彼女になったんなら言いたくてしゃあないやろうな」
″好きな子″という私にとってはタイミングの悪いワードが聞こえてくる。
そうだ、思い切って侑くんに聞いてみよう。
「あのさ、侑くんに少し聞きたいんだけど」
「どしたん？」
「北さんって、好きでもない女の子と付き合ったりするタイプかな？」
侑くんは目をパチパチとさせながら黙り「はぁ！？」と声を出す。
「有り得んやろ！ 北さんが！？ 好きでもない子と！？ 絶対に有り得ん、俺命賭けれる！！」
「ごめん、落ち着いて？」
大袈裟に驚いた彼が命を賭けるとまで言ってしまうんだから、北さんがそんな人ではないというのは間違いないっぽい。
私もそんな風には微塵も思っていないし、それが確信に変わって安心した。
「なんやねん、月曜日の朝から」
「いや、実はさ。私、北さんから好きって言ってもらえてなくて」
「そうなん？ 好きって言ってくださいって頼んだらええやん」
そんなこと言えるか、とため息をつく。
「別に好きって言葉が欲しいわけじゃないっていうか……。私のこと、本当に好きなのかなって考えちゃっただけだから。でも、侑くんがそう言うなら大丈夫そうで良かった」
「おん、それだけは絶対に有り得ん」
侑くんが太鼓判を押すものだから、心は少し軽くなる。
いつか北さんの口から、ちゃんと「好き」って言葉を聞ける日がくるといいな。
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吉田はるさめ(プロフ) - 脱兎@さきさん» コメントありがとうございます🥰 めちゃくちゃ嬉しいです！！ (12月31日 15時) (
レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - 一生顔がニヤついてました。控えめに言って神作でした！ (12月31日 11時) (レス) @page33 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - ゆずまる。さん» わぁぁ！ ありがとうございます！！ (12月15日 19時) (レス) @page28 id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずまる。 - 一言。尊とすぎんだろ (12月15日 18時) (レス) @page7 id: d52276dd20 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 爽さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇♀️ そう言ってもらえて、本当に嬉しいです！ (11月19日 22時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吉田はるさめ | 作成日時：2023年11月6日 0時
