#069 代理 ページ19
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『そうですか、ありがとうございます』
「はい、お大事にしてください」
沖田隊長に団子を買い与えて(因みに団子代は勿論私持ちだ)仕事をすること約2時間。
私は白髪のおじいちゃん先生に呼ばれた。
内容は、あと1日程度で退院出来るよ〜みたいな。
いや冗談抜きで本当に助かる。
いてもいなくても仕事量は変わらない、何て言ったけど、私の休暇が取りやすくなるのだ。
隊長がいない今は、私が隊長代理だし。
早い所休暇取って天人の件について調べたい。
『隊長、入りますね』
「おー」
おじいちゃん先生の話をクソ真面目に聞いた後、沖田隊長に退院の事を伝える。
すると顔がみるみる輝いて来た。
え、そんなに屯所に帰りたかったの...?
「これでやっと思うままに仕事サボれる...」
『そっちかよ』
沖田隊長はどこまでもブレないんだよなぁ。
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その次の夜、沖田隊長の退院パーティーという名の飲み会が始まった。
まぁ飲むのは凄く好きだけど、どちらかと言えば騒がず飲むのが好きなので前半は出席して後半退出した。
...部屋で須賀に電話をする為でもあるのだが。
『もしもし須賀?』
〈おー、どした?〉
『私達をこの世界に連れ込んだ奴の情報掴んだ』
〈...え、まじ?〉
『おうまじ。
まだ色々忙しくて調査出来てないけど。
ってことをこれから逐一報告しようかと思って』
〈そりゃありがてぇ。
...なぁ黒瀬、もし仮に元の世界に戻れるって言われたら、戻る?〉
須賀から発せられたのは予期せぬ言葉。
もーちょっと阿呆な言葉言うのかと思ってた。
『...お姉ちゃんは』
〈姉さんは...戻りたいって〉
『だよね。
...私は、戻らないと思う』
〈そっか、俺も〉
『ふぅん。
お姉ちゃんが寂しがるようなら一緒に帰りなよ』
〈お前も寂しがるだろ〉
お姉ちゃんが帰るなら一緒に帰って欲しいところ。
でも、須賀と一緒で良かった。
1人だと心細かった。
ただお姉ちゃんと離れるのは嫌だな。
なんて、我儘過ぎるだろうか。
宴会が始まる前の少しの時間に、加賀さんと会って話しをしたところ、「私は帰りたい」と言っていたのだ。
まぁ訳が分からず逮捕されて好きな人の顔も見れない状況なら誰だってそう思うだろう。
帰りたい人のために、働かなきゃならない。
『じゃあそろそろ切るわ。
...あ、多分今度そっちいくから。
おやすみ』
〈え、ちょ、どういう事?!〉
須賀の焦った声が聞こえて思わず笑みが零れた。
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年中毛布掛けて寝る派(プロフ) - クロさん» 応援メッセージありがとうございます!! 100話まで来るとは...嬉しい限りです。 これからも応援よろしくお願いします^^ (2021年5月3日 0時) (レス) id: 3b56795229 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 記念すべき100話目、本当におめでとうございます!これからも更新頑張って下さい。応援しています(*´∇`*) (2021年5月2日 17時) (レス) id: 9aa604e515 (このIDを非表示/違反報告)
年中毛布掛けて寝る派(プロフ) - すすさん» コメントありがとうございます! 更新が途絶えないように頑張ります! (2021年2月28日 16時) (レス) id: 3b56795229 (このIDを非表示/違反報告)
すす(プロフ) - めっちゃ続き気になります!更新頑張ってください! (2021年2月27日 19時) (レス) id: 9c1889318b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:年中毛布掛けて寝る派 | 作成日時:2021年2月13日 0時