#061 幻想的 ページ11
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局長の言葉はズシンと頭に響くような、重い言葉だった。
「_____総悟は、重体で運ばれたそうだ」
隊長が運ばれた との知らせが来たのは局長が屯所に戻った直後の事だったらしい。
その頃には負傷した、でもまだ割と動ける隊士達は屯所に戻って来ていて、大勢の隊士を残して沖田隊長の所へ向かう事も出来ず、局長は残ったのだ。
沖田隊長の所へは副長が向かったとの事。
...沖田隊長、副長より局長の方がいいのでは?
なんて思ったけど、意外と悲しみそうだし副長には言わないでおく事にした。
ナースステーションで沖田隊長の部屋を聞き、走って向かう。
後ろから私を止める声がしたけど、止まっている暇などない。
聞いた部屋の前で立ち止まり、息を落ち着かせてドアを開けると、包帯に巻かれて寝ている沖田隊長と、その近くの椅子に座っている副長がいた。
『た、隊長...』
聞こえてないと分かってはいるけど、思わず声をかけてしまう。
「三木か...。
医者が言うには、3日目が覚めなけりゃ危ねぇって」
『そうですか...どんな状態だったんですか』
「相手側が使った爆弾で飛んで来た鉄の塊が当たってこの怪我だ。
出血量は多少多かったが、当たり所は悪くなかったらしい」
『不幸中の幸い、ですね』
土方さんの隣の椅子に座りながら隊長の顔を見る。
少し血色の悪そうな肌色だ。
場違いかもしれないけれど、閉じている目に付いている長いまつ毛も加わって幻想的に見える。
「すまねぇ三木」
ふと、そんな声が聞こえて顔を上げる。
果たして、どの意味でだろうか。
『副長が謝る必要ないじゃないですか。
...あと、局長から話聞きました』
「いや、俺は...俺が、疑っていたんだ」
『だとしても、それは真選組を守る行為です。
とって当たり前の行動だと思います』
「だが...お前を傍にしておかなかったせいで...」
『はい?』
「いや、なんでもない。
...三木、今日から此奴が目ェ覚めるまで隣で仕事してろ」
『あぁ、目覚めた隊長が逃げ出さない為ですね?』
「はぁ...いや、もうそれでいいんだ。
取り敢えず隣にいてやれ、頼んだぞ」
『...?はい、分かりました』
副長って偶に変な事言うよね。
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年中毛布掛けて寝る派(プロフ) - クロさん» 応援メッセージありがとうございます!! 100話まで来るとは...嬉しい限りです。 これからも応援よろしくお願いします^^ (2021年5月3日 0時) (レス) id: 3b56795229 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 記念すべき100話目、本当におめでとうございます!これからも更新頑張って下さい。応援しています(*´∇`*) (2021年5月2日 17時) (レス) id: 9aa604e515 (このIDを非表示/違反報告)
年中毛布掛けて寝る派(プロフ) - すすさん» コメントありがとうございます! 更新が途絶えないように頑張ります! (2021年2月28日 16時) (レス) id: 3b56795229 (このIDを非表示/違反報告)
すす(プロフ) - めっちゃ続き気になります!更新頑張ってください! (2021年2月27日 19時) (レス) id: 9c1889318b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:年中毛布掛けて寝る派 | 作成日時:2021年2月13日 0時