闇の中の白【五条悟】

38.失恋 ページ39

目を覚ました。



そこに居たのは




｢あっ、目ェ覚めた？どうも！
自分、呪詛師やってまーす。って事で君、なんで捕まってるか検討はついたかな？｣



馬鹿みたいにハイテンションの知らない人。

パッと見私より年下に見える



というか、呪詛師？

ということは元呪術師……



ガンガンと痛む頭をフル回転させて
記憶を掘り起こす


確か、ルンルンで帰ってたら

いきなり後ろから刺されて
動けなくて頭打って……



｢無視？いい度胸してんね。ウケる。
まーどうせ死ぬんだし、最後ぐらい無視していいけどさ、少しだけ僕の話聞いてくんない？｣


聞かなくても勝手に喋るじゃん……



コンクリートの壁に全て囲まれた部屋、
窓はない


私は椅子に手首と足首と胴を括られている



Theさら.われましたーって感じ。



たださっきから違和感がすごいのが
右の背中。



呪力が吸い出されてるような……？

よくわかんないけど、変。




｢あ、呪力使わない方がいいよ？

使えば使うほどその、背中にぶっ刺さってる僕の式神が君の呪力吸って、君の身体の中に根を生やすからね。

つっても、君、反転術式で常に体回復してたでしょ？それでもう結構深い所まで根っこがイッてると思うんだけどね｣



ああ、どうりで。



確かに私は色素欠乏のせいで紫外線に焼かれやすい体だったから

常に反転術式で皮膚を回復し続けていた



まじか。

ここは建物の中だから
反転術式使わなくていいけど、


……体に根っこって…大丈夫なの？



大丈夫なわけないと思うけど……




｢あと、泣いても叫んでも、外には聞こえないから〜無駄なことはしないように｣



…はいはい。


無駄に距離、近いんだよなぁこの人。




スンスン



なに、匂い嗅がれた



｢女子高生っていい匂い。
ほんと、早く食べちゃいたい｣



うっげえ……きしょい



｢五条悟くんとは仲良くやってるの？
許嫁宣言されたらしいけど、まあ、してるに決まってるよね？

あいつどう？セッ〇スでも、
好き勝手やるタイプなんじゃねーの？
ドSっぽいし、腰立たなくさせられてたり？｣



……？？




｢許嫁宣言……？｣



｢え。君、五条悟と付き合ってんじゃないの？
だから、さらってきたんだけど、自分ら｣


｢いや、付き合ってません…｣



……えっ？



｢五条先輩、付き合ってる人…居たんですか｣




恋心を自覚した途端失恋なんて

我ながら、笑えます。

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