闇の中の白【五条悟】

31.恵くん ページ32

あれから数日。



任務に行けば

後ろからもう1台車が着いてきたりとか



学校でも視線を感じることがしばしばあった。



｢何してるんですか？｣



好奇心で黒いグラサンにスーツを着た

その人たちに聞いてみたけど



無言で首を振られるばかりで

私とは喋ってもくれない。




なんなんだろ……

任務終わったら先輩に聞こっと。



お土産よろしく〜って言われたから


陣太鼓の入った袋を提げて
高専の結界をくぐる。



学長先生に帰還を伝えて
寮に帰れば、



｢おかえりA〜あ、それ僕へのお土産？｣



丁度リビングにいた五条先輩。




｢…先輩、その子、誰？｣



｢ん？伏黒恵くん。将来僕らの後輩になる子｣



｢こんにちは｣



おお、挨拶するなんて偉い。

小学生くらいなのにしっかりしてるな



｢あと、禪院家の血を引いてるんだけど、ワケアリだから上には黙っててね〜｣



…また何かしら偉い人に怒られることをしてるなこの人。


禪院って先輩とこと加茂家と並ぶ御三家とかいう有名なとこの一つだよね？



無理やり連れてきたとかじゃないよな…

まあ、この子が嫌そうな顔してないからいっか。



｢私は、杏子A。高専の1年生だよ。
よろしくね、伏黒恵くん｣



しゃがんで握手の手を出せば
彼の小さな手がゆっくりと私の手を握る


うっわ可愛い。鼻血でそう。



｢恵は、上のやつらに見つからないように僕らで保護しながら、中学までは普通の所に通わせるから。

Aも、それ手伝ってね｣



なぜ私も！？いいけど。


家まで送り届けるから着いてきてと言われ、



タクシーを乗り継いで
着いた先にあったのはボロいアパート


近くまで送り届けると恵くんは｢ここまででいいです｣とぺこりと頭を下げた



姿が見えなくなるまで見送っていたら



｢少し、カフェにでも行こうか｣



そう言って先輩は歩き出した




.
.
.


｢ここのいちごパフェ美味しいんだ｣



そう言って届いたパフェを
美味しそうに頬張りながら



｢あの子見覚えあるでしょ｣



先輩は首を傾げる



見覚え……？


黒髪、あの目…あっ。



｢そ。恵は、僕らを殺し損ねて、僕が殺したあの男の息子だよ。｣


｢そうだったんですね｣


｢まー他にも色々あるから、上には言わないでねってこと。子供に罪は無い｣



確かにそうだ。

私もそれに異論はない



｢でも、なんで五条先輩が面倒みるんですか｣



父親を殺したから？

でも、あれは正当防衛だ。

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