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りんご飴とたこ焼きが食べたいと言って志麻とセンラは買いに行き、うらたはお手洗いに、とその場を離れた。


取り残された坂田とAはその場に立ち尽くし、喧騒に紛れた。



「どうしよ、あんまり動いたらはぐれちゃうよね」

「...電話も出るし大丈夫やろ、」

「うーん...私が3人に連絡先あげてないんだよね」

「は?」

「機会が無いっていうか必要がないって言うか...」



正直ここまで仲良くなるとは思ってなかったし。

そう言ってAはへらりと笑った。

ゆっくりと開かれた瞳は憂いを帯びているように坂田には見えた。



「...なんも言わへんの」

「なにが?」

「分かっとるやろ、俺が明らかにお前のこと避けとったの」

「うん、まぁね」

「怒ったりせえへんの、今なら3人誰も居らへんで」

「なんで怒るの?」

「なんでってそりゃ、なんにもしてへんのに酷いことしちゃったし」



自分で言っていて過去の自分を恨みたくなった。

坂田はそっと地面に視線を落とす。


その様子をAはひとつずつ味わうように、ゆっくりと言葉を噛んで飲み込むように話を聞いていた。

視線を外した坂田が感じている罪悪感の重さに気づき、ゆっくりと口を開いて頭にあることばをひとつずつ優しく選んだ。



「怒んないよ。」

「...なんで、」

「3人みんな最初はそうだったし。それに、悪いことだって思ってるんなら私が今更何か言う必要も無いでしょ」



わかっててやるような人でもないじゃん、とサラリと言葉を零したAを坂田はそっと盗み見た。


彼女は坂田の方を見てはいなかった。どこか遠くの、もしかしたら夜空の先かもしれないどこかを見て瞳を揺らすことなく立っていた。



「...また、するかもしれへんで」

「ふぅん、するつもりなんだ、」

「や、ちが、するつもりはない、けど...」



予想外の言葉にがばっと坂田が顔を上げた。

カチリ。

Aと視線が交わった。



「ん、じゃあそれでいいよ。この話おしまい。」



汗で衣服が張りつけそうな暑さなのに、心地よい温かさが身体を覆った。

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かしや(プロフ) - 雨の夜さん» ありがとうございます〜!内容に重きを置いているのでそう言っていただけると嬉しいです!更新がんばります! (2021年1月31日 17時) (レス) id: a864d91887 (このIDを非表示/違反報告)
雨の夜 - コメント失礼します!いやぁ〜前から見てたけど話の内容面白いのですごく好きです!作者さんのぺースで更新頑張ってください! (2021年1月31日 10時) (レス) id: 1e59db50fb (このIDを非表示/違反報告)
かしや(プロフ) - のん!さん» ありがとうございますー!!更新頑張ります! (2021年1月29日 20時) (レス) id: a864d91887 (このIDを非表示/違反報告)
のん! - 初コメ失礼します!とっても面白いです!更新楽しみしています!頑張ってください (2021年1月26日 8時) (レス) id: 8e054f2938 (このIDを非表示/違反報告)
かしや(プロフ) - るいやで。いぇあ。さん» ありがとうございます〜!!!更新頑張ります! (2021年1月23日 0時) (レス) id: a864d91887 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かしや | 作成日時:2021年1月20日 20時

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