哀れな孔雀に毒蛇の愛を。【usss】

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昼休み終わり。
終わって帰ってくると、友人がAの元に近寄ってきた。



「おかえり、また図書室？」

「うん。面白いものあるし」

「私も本読むの好きだけどAとはジャンル合わないしなあ」

「あ、じゃあ今度オススメの本教えてよ。読んでみたい」



ついてくる友人と他愛もない話をしながらAは席に戻ると、机に借りてきた本を置いた。



「うっわこの本懐かしい。中学生の時によく読んでた」

「ほんと？久々に見かけたからちょっと読みたくなってさ」

「え〜いいなあ、私も今度借りにいこうかな」



本をパラパラと捲りながら呟く友人にAはくすりと笑みを漏らした。

ふとAが廊下に目を向けると、1人の男子生徒と目が合った。友人の彼氏に間違いないと認識した彼女は友人に声をかける。



「いいの？彼氏のとこ行かなくて」

「うん、別にずっと一緒にいたいとかそういう訳じゃないしね。」

「いや、そうじゃなくて」



あれ、と指をさせば友人はその指した先を見る。
2人の視線が交わると、何の用だアイツ、と小言を零しながら彼の元に駆け寄る友人にAはくすくすと笑った。

こういうとこ、素直じゃないよなぁ。


彼女が去ったことで誰の手にも付けられなくなった本を机にしまい、Aは次の授業の準備を始めた。



「あー、あの、城川さん。」


見慣れぬ声に苗字を呼ばれ、Aは顔を上げた。

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